保護した子猫は超ビビリ!野良猫と家族になるまでの14日間
我が家の愛猫は姉妹でウーちゃん&ラーちゃんといいます。この夏4歳になります。生後一ヶ月くらいの時、友人が野良だった2匹を保護して連れてきてくれたのが出会いです。
人間に慣れていなかったのと、幼いうちに母猫から引き離したショックで、飼い主(私と夫)に馴染むのに少し時間がかかりました。ゆっくり歩み寄って勇気を出して子猫たちが家族になっていくまでの二週間を紹介します。
2匹は姉妹ですが性格は正反対。痩せっぽちで小さいラーは好奇心旺盛ですぐ馴染み問題なし。一方ぽっちゃりで大きいウーは大変なビビリで泣き虫…ラーに頼りっぱなしでした。
母猫を呼んで鳴き続けたり、引きこもったり
とても悲しい声で必死に玄関先で鳴く子猫たち…母猫を呼んでいるのだとすぐわかりました。保護した場所は近所ではないので母猫の耳に届くはずもありません。友人の話では母猫も子猫たちを探して鳴いていたそうです。
生後一ヶ月という幼さで母親から引き離したのは酷だと思います。でも今保護しないと野性化してしまうので、「堪忍してね。一生可愛がるからね。」と心の中で母子に謝りながら見守っていました。
ウーは人間が恐くて棚の下に引きこもり。ラーもそれにつきあいつつ、でも遊びたくて時々ウーに出てくるよううながしているようでした。私も早く慣れてほしくてオモチャで釣ろうと度々チャレンジしてみましたが、なかなか相手にしてくれません。
初シャンプーに初病院 子猫たちの試練は続く
ラーは友人がシャンプーしてから連れてきてくれたのですが、2日遅れで保護されたウーは泥だらけでした。私はつい家猫の感覚ですぐ洗ってしまい…これは今から思うと大失敗でした。初めてのシャンプーはビビリの幼いウーにとってショックが大きすぎたのです。
ラーと離され、ひとり浴室に連れていかれて恐くなり、お湯をかけられシャンプーでパニック状態。初め逃げようと必死で暴れて、やがて恐怖心MAXになったようでグニャリと脱力して立てなくなってしまいました。
動けなくて横たわるびしょ濡れのウーを見て「しまった」と思いました。もう数日間様子を見て落ち着くのを待つべきだったかも…ついつい人間の都合で世話をしてしまいがちです。
そっとタオルで拭いてやり、ドライヤーは恐過ぎるだろうと中止に。ラーの元に戻すとウーは少し安心したようで、ラーに舐めてもらって眠りました。
さて、まだまだ不安げな子猫たちですが、野良猫なので病気や虫が心配です。健康診断は早い方がいいように思い、動物病院を初受診しました。今度は子猫2匹ともパニックです。道中はキャリーバッグの中で鳴き騒ぎ、待合室ではすごい勢いで舐めあいながらなぐさめあっていました。ウー800g、ラー650g。
心配していたとおり便に虫がいたので駆除剤をもらいました。薬はウェットタイプのごはんに混ぜて与えます。血液検査とワクチンについては獣医さんと相談して、生後6ヶ月くらいに行うことに。家に帰ると子猫たちは少しホッとしたようでした。
数日後に動物病院に便を持っていきました。検査の結果、虫は無事に駆除できたとのこと。駆除剤は卵には効かないそうなので、検査は一度だけでなく、数日後にも行う必要があるそうです。完全に駆除できるまで薬を飲ませ続けることが大事です。
人間に慣れるために毎晩特訓
ベッドの下置き用の引き出しに毛布を敷いて子猫たちの寝床を作ってやりました。毛布は亡くなったばかりの先代猫の愛用していたものです。洗濯してありましたが、もしかしたら猫の匂いがしたのかもしれません。子猫たちは寝床を気に入ったようで、あっという間に丸くなって眠りにつきました。
ベッドの下に子猫の寝床を作った理由は、早く人間の気配に慣れてほしかったためです。ウーは人間を恐れていますが、ラーと一緒ならベッド下でも大丈夫なようでした。飼い主たちは時々引き出しをのぞいて、抱き合ってグッスリ眠る子猫たちをそっと愛でて「早く慣れて一緒に寝ようね」と夢を膨らませておりました。
数日経ったある夜中、身体の上をちょこちょこ歩かれている感覚で目が覚めました。目をこすりつつ体を起こすと、子猫たちがベッドの上に!私が起きたので慌ててベッドから飛び降り寝床に逃げ込んだのでした。
寝ている間に人間を調べていたような感じです。面白いので寝たふりをしているとまた上がってきて嗅ぎまわる2匹…「なあに?」と声をかけると慌てて飛び降り、少しすると大真面目な感じでまた来るので、可愛くって笑ってしまいました。子猫たちにとっては夜中の冒険なのでしょうね。
ウーのストレスになってもいけないので、昼間はあまりこちらから構わないように気をつけました。ラーは自分から寄ってきてよく遊びますが、ウーはすれ違う時も緊張してしまいます。構いたいのは山々だけど我慢…「ウーちゃん可愛いね」と話しかけ、指の匂いをかがせて頭をちょんちょんと軽く触るくらいにしておきました。
夜は夫の特訓タイム。毎晩ウーを抱っこして撫でて慣れさせます。最初は逃げていたウーもだんだん仕方なさそうな顔で抱っこされるように。でもまだ自分からは来られないのでした。
弱虫子猫が決心した日
数日後ラーは私に寄り添って眠るようになりました。夜中はウーとベッド下で寝て、明け方私のところへやってきて、肩の上の首のくぼみに入ってゴロゴロ喉を鳴らしながら眠ります。ところがウーはそれを遠くから羨ましそうに見ているだけ。「ウーちゃんもおいでよ」と呼んでも、もぞもぞためらって、やっぱり無理だよ…!と言わんばかりに泣きそうな顔で一階へ走り去ってしまうのです。
そんなある日、子猫たちの写真を撮っていた時のこと。突然ウーが見たことないような必死の顔をして匍匐前進で私に向かってきたのです。思わず「どうした!?」と言いたくなるくらい力の入りまくった形相でウーは匍匐前進のままスピードを落とさず私の膝の上に乗ってきて、そのままにぎにぎ始めたのでした。私はうれしくてうれしくて泣きそうです。
「よくきたね。よくきたねぇ、ウーちゃん」となでまわし、ラーも興奮して私の膝に飛び乗りウーを舐め回しました。我が家にウーがやってきて14日目のことです。
こうしてウーも人間に甘えられるようになっていきました。それでも毎日来られるわけではなく、次に来たのは3日後くらい。とにかく時間のかかる子でした。少しずつ少しずつうちの子になっていたのでした。
まとめ
野良猫が人間と家族になるのに必要な時間はケースバイケースです。個体差もありますから、ラーのようにすぐに慣れる子もいれば、ウーのように時間のかかる子もいるでしょう。
外で暮らしていたため、病気や虫がいる可能性も高いので、早めに動物病院に連れて行きましょう。野良猫を家族にお迎えするなら、それぞれの個性を尊重し、焦らず急がずどっしりと構えて攻略してみてください。ちょっとずつ猫の表情が変化していくのを楽しみましょう。後から振り返れば、こんな思い出もかけがえのない宝物です。