彼氏にふられた失恋直後の私をなぐさめてくれた愛猫
我が家の愛猫・イヴはミックスの女の子です。年齢は9歳で、私が学生の頃に拾ってきた猫ちゃん。チーズが大好きで、私がワインを飲みつつチーズをかじっていると、普段は乗ってこないテーブルにジャンプして催促してくるほどです。
そんなイヴとの一番の思い出といえば、拾ったばかりの頃のことです。私が彼女を最初に見かけたのは、通っていた大学の通学路でのことでした。授業を終え帰宅しようとしていたときに、道端で泣いている子猫を見つけたんです。
どしゃぶりの日に連れて帰ってきた愛猫
その日はどしゃぶりの雨。濡れそぼって鳴き続ける猫を置いていくことなんてできませんでした。グレーの毛が綺麗な子でしたが、なぜか泣き声は怪獣のような低い声で、そんなところも気になって仕方がなかったんですよね。
そんな経緯で我が家へとやってきたイヴでしたが、なかなか私たち家族にはなついてくれなかったです。もしかしたら人間に捨てられて嫌な思いをしたのかもしれませんね。
私が用意したエサは食べてくれるものの、いつも部屋の隅っこにいて、撫でさせてさえくれませんでした。
失恋した私のことを励ましてくれたイヴ
そんなある日、私は学校でのトラブルがあり、さらに当時付き合っていた彼と喧嘩をしてしまったことで非常に落ち込んでいました。家に帰りひとりでずっと泣いていたんです。
幸い家族はまだ誰も帰宅しておらず、リビングのソファに寝転んで涙を流していました。ああいうときってなかなか涙を止めることができませんよね。私もしばらく泣き続けていました。
そうしたら後ろから急に「にゃー」という声が聞こえてきたんです。普段は決して私に近寄らないイヴちゃんがこちらに向かって歩いてくるではありませんか。
そして、私の膝のあたりにお手てを乗せて、もう一度「にゃー」と。偶然だったのかもしれないし、ただのイヴちゃんの気まぐれだったのかもしれません。
でも私には、イヴが泣いている私を励ましてくれているように感じました。その日から徐々に私たち家族とイヴの距離は縮まっていき、今では彼女のお昼寝の定位置が母の膝の上になっているほどです。
猫は人間の気持ちなんておかまいなしだとはよく言われていますが、やっぱり飼い主の気持ちには敏感で優しい動物なのだと思います。もうそれなりの年齢になってしまったので、近頃あまり食事を摂りませんし、動きもゆっくりとしたものになってきました。
少しずつお別れのときが近づいていることを感じますが、最後の時まで我が家に来て良かったと思ってもらえるような過ごし方ができればいいと思っています。