猫の分離不安の症状と解決方法@ただ単に甘えてるだけではありません
みなさんの猫ちゃんは、帰宅したときに出迎えてくれますか?それとも知らん顔でしょうか?仕事から疲れて帰ってきた時など、愛猫が玄関に飛んできて歓迎してくれる姿は嬉しいものです。
時には足元にまとわりついて、トイレやお風呂にまでくっついてくることもあるでしょう。「甘えん坊なんだから!」と、愛猫のしぐさに思わず笑顔になってしまいますよね?
このような行動は、愛猫に慕われている実感があり飼い主にとっては楽しいひと時です。しかし、その歓迎の様子があまりにも激しい場合は、もしかしたら「分離不安」といわれる心の病を抱えているのかもしれません。
親しい関係のパートナーや相棒と別れることに関して、不安や悲しみを覚えること自体は、人間はもちろんのこと多くの動物にみられる感情です。しかその感情があまりに強くなり、心の安定や行動に様々な影響を及ぼす「分離不安」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
こちらで猫の分離不安について、その原因、症状、解決法について紹介します。
【参考】分離不安症の原因と予防方法@飼い主に依存する猫が増えてる?
分離不安とはどんな病気か?
分離不安とは、愛着のある飼い主さんや仲間と離れる、または離れることがわかった際に極度の不安を感じる状態のことです。
そもそも「不安」を感じること自体は生きていく上で必要な本能です。特に「分離不安」は幼児期の人間の子供でよく知られており、母親と離れる際、泣いたり、暴れたり、しがみついたりする行動がよく見られます。
赤ちゃんにとって、自身を守り最も安心できる存在である母親と離れることを不安に感じて抗うこれらの行動は、自己防衛本能としてむしろ当然の行動です。幼児は、母親に依存して生きる時期を経て成長するとともに自立し、分離に対する不安も徐々に薄らいでゆきます。
母親と離れることを不安に思う幼児と同じように、ペットが飼い主さんとの離別に対し不安を感じることは特異なことではありません。ペットも成長と共に外出した飼い主さんが必ず戻ってくることを学習し、落ち着いて一人の状態を過ごすことができるようになってゆきます。
ところが分離不安の傾向が極度に強い場合、この不安を解消するために様々な問題行動をおこすことが知られています。
分離不安の症状
特に集団行動で生活する犬に多いといわれる分離不安ですが、単独行動を好むといわれる猫においてもその傾向を示す場合があり、主に下記のような症状があります。
- 頻繁に鳴く。大声で鳴く
- しつこく付きまとう。極端に落ち着きがない
- 物を壊す。ひっかく、噛みつくなど攻撃的になる
- トイレ以外での排泄
- 食欲不振
- 過剰なグルーミング
このような行動は、猫が極度の不安に駆られ苦しんでいる状態を表しています。
これらの行動が続くと猫自身が心身ともに蝕まれていくだけでなく、周囲からの苦情、ベットの上での排泄、物を壊したり噛みつかれてケガをするなど、飼い主さんを悩ませる要因となり、最悪の場合猫を持て余し飼育放棄につながるケースも増えていると言われています。
分離不安かな?と感じた時の対応方法
分離不安は、先天的な性質による場合もありますが、環境による生活習慣が影響している場合も多いといわれています。
後者の場合は環境を変えることによって改善することも期待できます。先に示したような症状が見られ「分離不安かな?」と感じられたら、にゃんことの関係を振り返ってみましょう。
分離不安は主に飼い主さんが留守にする間に強くなります。留守番をさせる際は下記の点に気を付けてみましょう!
外出の準備を予感させない
朝の出勤前や買い物に行く前など、スーツに着替える、バックを持つなど、外出の準備はおよそ決まった手順ですよね?出かける予感が猫の不安を高めます。
着替えたけど出かけない、カギを持ったけどエサの準備をするなど、飼い主さんが不在になる不安のルーティンを作らせないように、行動パターンを変えてみましょう。
猫の要求に応えない
大声で鳴いたり、執拗につきまとうことで飼い主さんの注意を引きかまってもらうことに成功すると、以後も同じように行動することで飼い主さんの気を引けると学んでしまいます。
外出から帰って大歓迎されると嬉しくてついかまってしまいたくなりますが、分離不安が考えられる場合はいったん猫が落ち着くのを待ちましょう。その代り、落ち着いた後はしっかり可愛がってあげてください。
外出時は寝室に入れない
分離不安行動の中で、飼い主さんを一番悩ませるのはベット(寝具)への排泄と言われています。不在時は猫が寝室(寝具)に近づけないよう徹底しましょう。
寝具の上が一番落ち着くにゃんこには、汚れてもかまわない猫ちゃん専用の毛布や、飼い主さんの匂いのする服などを用意します。また、留守番時猫が安心できる場所を確保することも大切です。隠れられる場所、外を見られる場所、ゆっくり眠れる場所を用意してあげましょう。
まとめ
「1人でも平気」と思われがちな猫ですが、人間も同じように不安を感じ、心のバランスが崩れることで行動にも影響を及ぼすことがあるのですね!
とっても忙しく、普段より遅く帰った日に限って猫がしつこく甘えてきたり、普段大人しい猫が急に噛み付いてきたり。「なんで?」と思うような行動をつるようになったら「分離不安」かもしれません。
解決のためには、飼い主さんが早めに気付いてあげることが大切!習慣を少しづつ変えることで、にゃんこの不安を徐々に取り除いてあげましょう。