寂しがり屋の猫のストレス行動と解消方法@留守番が多い猫は気を付けて!
猫はもともと群れを作らず、単独で行動することが多い動物。そのため、「独りぼっちでさみしい」という感情もないのでは?と思われがちです。
実際、留守番も2日間程度なら大丈夫、という情報が多く見受けられます。でも、はたして本当に猫は孤独な状態でも平気なのでしょうか?
4歳になる我が家のにゃんこは立派な大人のオス猫ですが、彼を見ている限り、どうもそうとは言い切れないと感じることが度々あります。最近生活パターンの変化に伴い、家を不在にする時間が長くなりました。
するとどうでしょう!いままで見られなかった行動をとるようになったのです。遅い時間に戻った筆者を物陰からジッと見つめ物陰から出てきません。しばらく様子を窺ったのち、意を決したように近寄ってきたかと思ったら、筆者の足元に頭をぶつけては顔を見上げて何かを訴えるように鳴くのです。
過去に一度、にゃんこにお留守番をさせて一泊の旅行に行ったことがあるのですが、その時も同じような行動をとっていたことを思い出しました。拗ねたような、怒っているような、でもホッとしたようなその表情は、まるでお迎えが遅くなったお母さんにやっと会えた時の子供のようです。
これは明らかに、飼い主がいないさみしさをずっとガマンしていたための行動と言えます。猫といえども、やはり独りぼっちはとても心細く、さみしい気持ちになるのです。
猫ちゃんのストレス行動とは?
一般的に、猫は2~3日は一人にしていても大丈夫といわれています。犬のように社会性が確立している動物はリーダーの不在に不安を覚えます。
ところが猫は、単独で行動することが多いため比較的孤独に強いと考えられているのです。しかしそれは野性の状態で生活をしている場合です。
飼い猫は人間からエサを与えられ、溢れんばかりの愛情を受けて飼い主さんに育てられます。親子のような、親友のような深い絆で結ばれているのですから、長い時間飼い主さんと会えない状態は当然ストレスにつながります。
さみしさを感じても言葉で訴えることができない猫ちゃん。そんな猫のストレスがエスカレートすると、このような行動に現れてきます。
■寂しさを感じた猫のストレス行動
- 排せつ(尿・便)を、トイレではない場所でする
- 通常では聞かないような大きな声、理由がわからないタイミングで鳴く
- 過剰にグルーミングをする
- 暴力的になり、噛みついたりものを壊したりする
- 物陰に隠れて動かない
分離不安とは?
このような行動は「分離不安」といわれます。問題行動の原因は、飼い主さんと長い間会えない、飼い主さんがかまってくれない、など飼い主さんとの関係性に不安を感じることによるストレスにあります。
お留守番などで長い時間飼い主さんと会えない状況は、猫ちゃんにとってかなりのストレスと言えますね。
分離不安によるストレス行動がみられる場合は、「ストレスくらい」と軽く考えてはいけません!ストレスが解消されずエスカレートすると、免疫障害によって病気に罹りやすくなったり、最悪の場合は死んでしまうこともあるといわれています。
人間と同じように、過度なストレスは猫にとってもできるだけ早く解消するべきものなのです。猫ちゃんの行動には常に気を付けてあげたいですね。
寂しさが原因のストレスを解消する4つの方法
独りぼっちによるさみしさがストレスの原因になる分離不安。いったいどうやって解消してあげたら良いのでしょう?
以下ではストレス解消のためのいくつかの方法をご紹介します。
1.多頭飼いにする
生まれたときから一緒にいる、兄弟猫はとても仲の良いものです。
飼い主さんが不在の時も兄弟で遊ぶことができるため、適度にストレスを発散することができます。
2.おもちゃを工夫する
動きのあるおもちゃや、音の出るおもちゃ、猫が好む匂いのするおもちゃなど、猫の興味を引くおもちゃを用意してあげましょう。ただし飽きっぽい猫ちゃんもいますので、おもちゃは数種類用意してあげるとよいですね。
3.ペットシッターさんにお世話をお願いする
飼い主さんが数日家を空ける場合は、ペットホテルよりもペットシッターさんを利用することを検討してみましょう。
猫ちゃんは縄張りを大切にしますので、ペットホテルのような見知らぬ場所に入れられることは、飼い主さんに会えないことと重なりとても大きなストレスを抱えることになりかねません。
信頼のおけるペットシッターさんを探しておくと、いざという時に安心です。
4.一緒にいる時間を大切にする
1人暮らしで猫ちゃんを飼っていると、どうしてもさみしい思いをさせてしまうのは避けられないことかもしれません。せめて一緒にいる時は、思いっきりスキンシップをとりましょう。
「待っていれば、飼い主さんがちゃんと帰ってきて遊んでくれる。」猫ちゃんがそんなふうに覚えてくれれば、安心して一人の時間を過ごすことができるようになります。
まとめ
忙しい毎日に安らぎを与えてくれる猫ちゃん。飼い主さんにとって、猫ちゃんの存在はかけがえのないもの。そんな大切な、大切な猫ちゃんを不安にさせているとしたら、飼い主としてとても心が痛みますよね。
筆者自身、最近仕事の関係で生活パターンが大きく変わったことでにゃんこを一人にする時間が長くなってしまいました。さみしい思いをさせていることに、とても申し訳なく感じています。
でも、そんな気持ちは猫にもちゃんと伝わっているものです。今でも少し拗ねたような表情で寄ってきますが、しっかり抱きしめて、「お留守番ありがとうね。いい子で待っててくれたね」と話しかけながら撫でると、ゴロゴロスリスリと嬉しそうな顔で甘えてきますからね。
しばらくすると安心するようで、自分から離れてご飯を食べに行くのです。今の環境を健気にキチンと受け止めてくれているようで本当に愛おしくなります。
あまり感情を表すことのない猫ちゃんですが、飼い主さんの気持ちも、自分の置かれている状況もちゃんと理解しているのです。猫ちゃんと飼い主さんは運命共同体です。一人と一匹が協力し合って、一番良い関係を保てる方法を探してあげてくださいね。