猫がクリームを舐めた!甘いものを食べても大丈夫なの?
以前、実家で飼っていた猫は「あんこ」が大好きでした。
和菓子を食べていると寄ってきて「ちょうだい」とアピール。甘いものは猫でも虫歯になるし、あえて与えないようにしていましたが、隙を見てはお皿についている「あんこ」を舐めていたのを思い出します。
食べた後は、いつも舌なめずりしているのです。今飼っている猫も、お皿に付いたクリームを舐めては「もっとちょうだい」とアピールしてきます。
同じように、「うちの猫も甘いものが好き」と感じている飼い主の方もいるはずです。しかし、猫に甘いものを与えても良いのか悩む飼い主の方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、甘いものを食べても大丈夫なのかどうかをご紹介いたします。
猫は甘さを感じることがほとんどできない
猫は人と比べると、味を感じる部分が少ないと言われています。人は味を感じる『味蕾(みらい)』(舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官)が、約10,000個あるのたに対して、猫は1,000以下しかありません。
人間の20分の1しか味覚を感知していないのです。そのため、苦みや酸味は感じることができても、甘みはほとんど感じることができません。これは、猫が肉食動物で糖分を主なエネルギー源にしていなからと考えられます。
甘味はほとんど感じない猫ですが、動物の肉(獲物)が腐っていないかどうかを判断するため、酸っぱさ(酸味)や苦さ(苦味)が敏感に発達したと言われているのです。
ちなみに犬は、人の5分の1ほどの味覚と言われていますが、糖を感じる味蕾が発達しているため、甘いものを好んで食べる犬も多くいます。
なぜ猫は甘い物を舐めたがるのか
私の愛猫のように、クリームが大好きな猫はたくさんいます。さらに調べてみると、あんこが好きな猫も多いようです。ではなぜ猫は甘味をほとんど感じることができないのに、クリームやあんこなどを食べようとするのでしょうか。
脂肪分に惹かれている
猫が生クリームやプリンを好んで食べるのは、私たち人間のように糖分を摂取するためではありません。クリームに含まれている「脂肪分」に惹かれて食べているのです。
脂肪は猫にとって大切な栄養素で、体内に取り込むことによって、エネルギー源や脳の働きにも関わってきます。体に必要な栄養分を、猫は分かっているのです。
タンパク質を作っているアミノ酸の甘さ
以前実家で飼っていた猫は、あんこが大好きでした。調べてみると、あんこが好きな猫は結構多いようです。実は、猫の甘味はほとんど感じることはないとは言え、「甘い」と感じるものがあります。
それはタンパク質を作っている「アミノ酸の甘さ」です。小豆には約22%は良質なタンパク質が含まれます。そのため猫も、「あんこは美味しい物」と理解して食べようとするとするのかもしれません。
与えるときの注意点
猫が甘いものが好きだからと、クリームやあんこなどをたくさん与えるのは体にもよくありません。また、私たちが好んで食べているものでも、猫にとっては害になる食べ物もあります。そこで、与えるときの注意点を確認してみてください。
大量に与えない
市販のクリームやあんこは糖分も含まれているため、与え過ぎると肥満の原因にもなります。少量をたまに与えるくらいであれば問題はありませんが、やはり食べ過ぎは体に良くありません。
飼い主が与えなくても、置いていたスイーツを猫が食べてしまうこともあります。さらに肥満だけでなく、糖尿病や虫歯にもなる可能性が高くなるので注意が必要です。
猫に危険なチョコレート
私たちにとってチョコレートは、疲労回復のアイテムとして重宝しますが、猫にとっては危険な食べ物です。チョコレートには『テオブロミン』という物質が含まれており、猫が摂取すると中毒症状をおこしてしまいます。
『テオブロミン』はカカオに含まれる苦み成分です。そのため、チョコレートだけでなく、ココアやカカオを使ったスイーツも危険です。また、コーラやお茶にも『テオブロミン』が含まれているので注意してください。
猫専用のものを選ぶ
「特別な日に猫にもケーキを食べさせてあげたい」と思う飼い主の方もいるのではないでしょうか。しかし、人間が食べるケーキを1つ与えるのは多すぎます。
そんなときは、猫専用のケーキやスイーツを選んでみてください。ペットショップや、ネット通販でも注文することができます。
まとめ
多くの猫はクリームやあんこを好んで食べようとします。しかし、普段与えているキャットフードで栄養は補うことができるため、基本デザートは与える必要はありません。
とはいえ、愛猫が横で催促してくると、ついついあげたくなってしまいますよね。少しであれば問題はありませんが、クリームやあんこなどを大量に与えるのは肥満や糖尿病、虫歯のリスクを高めてしまいます。
また、チョコレートなどカカオ製品は与えると命の危険に繋がることがあるので注意してください。