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彼女と電話している嫉妬して足を噛んでくるうちの愛猫

猫

私の実家には「フクちゃん」という女の子の猫ちゃんがいます。

私がまだ小さいころに近所から引き取られた猫で、生まれたての子猫のまま我が家の家族になりました。「フクちゃん」という名前は、今はもうなくなってしまったおばあちゃんが「福がやってきますように」という思いを込めて付けてくれたものです。

「フクちゃん」はすくすくと育っていき、それとともに引き取った当時小学生だった私も同じようにすくすくと育っていったので、兄妹みたいな感じで非常に仲が良かったです。

私が彼女と電話していると起こって足を噛んでくる愛猫

今回紹介するのは私が思春期を迎え、初めて彼女ができたときのお話です。当時はまだLINEなどのSNSはなく、彼女と毎晩電話をするのが日課となっておりました。

不思議なことに私が他の友人としゃべっているときは「フクちゃん」は無関心なくせに、彼女と電話しているときに限って私の足元にスッと入り込み、まるで嫉妬しているかのように「にゃー!にゃー!」と大声で鳴いていたのです。

それすらも無視して彼女と電話をしていると、怒りながら私の足をガブっと噛むようになりました。

思わず私も痛い!叫んでしまい、これでは彼女との電話もままならないと、一旦電話を切ると先ほどの怒りはどこへやら、と言った感じで私の部屋の布団に丸くなってぐぅぐぅと眠り始めるのでした。

なんだかお兄ちゃんにかまってもらいたい妹ってこんな感じなのか?と、噛まれた足に軟膏を塗りながらしみじみしたものです。

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彼女に振られたときには慰めてくれたフクちゃん

とある日、いつものように彼女から電話がかかってきて、いつものように会話をしようと思っていたのですが、この日は彼女の様子がどこか変でした。

私が「風邪でも引いたの?」と問いかけると、涙声ながらに「他に好きな人が出来たから別れてほしい。」と言われたのです。

結局その電話で私はフラれてしまい、呆然としながらその場に立ち尽くしたのち、布団に寝転がってしくしく泣いていました。もう自分は1人ぼっちなのかなと思ったその時に、私の流した涙をペロッとなめられたのです。

いつの間にか「フクちゃん」が私の部屋に入ってきていて、元気のない私に寄り添うようにそばにいてくれました。

私はそのやさしさに驚きながらも、フクちゃんのまん丸い目をみながら、「ありがとうね」とお礼を言いました。フクちゃんは少しだけ「ニャー」と言いながら、そのまま2人は布団で朝まで一緒に寝ていました。

可愛くて優しい妹のような「フクちゃん」も今年で16歳になるおばあちゃんです。でも、私が実家に帰省にすると真っ先に「おかえり。」と言ってくれている。そんな気がしているのです。

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