猫の口内炎は甘く見ると命にかかわることもある!
知らない間に口の中にポツッとできる口内炎。疲れが溜まると口の中を噛みやすくなり、口内炎がなかなか治らないとう経験をしたことがありませんか?口内炎があると痛くて食べにくい、違和感があるものの、しばらくすると自然に消えているのではないでしょうか。
これは人間だけでなく、猫にも起こる現象です。しかし、猫の口内炎は人間と違って重症化すると命の危険もある病気のため注意が必要です。そこで今回は、猫の口内炎の原因と症状についてご紹介します。
こんな症状が出たら要注意
口内炎は口の粘膜に炎症や腫瘍ができる病気です。人間の口内炎のようにポツポツとできるのではなく、猫の口内炎は口の中の広範囲にわたって炎症が起きます。
初期の段階では気が付きにくく、飼い主が気づいた時にはかなり病気が進行しているということも珍しくはありません。
■口内炎の症状
- 口臭がする
- エサを食べなくなった、又は食べにくそうにしている
- 水もあまり飲まなくなる
- 前足で口をしきりに触る
- 口が開いていることが多く、よだれが出ている
- グルーミングが減る
重症化するとエサを食べられないだけでなく、口を開けることも困難になります。
猫の口内炎の原因
では、口内炎の原因にはどんなものがあるのでしょうか。
歯石や歯周病
猫で多いのが歯石や歯周病が原因の口内炎です。歯石が溜まると、そこから細菌が増殖して口内炎が出来やすくなります。飼い猫の場合、3歳以上で80%以上の子が歯周病を患っているとも言われています。
猫は虫歯になることはほとんどありませんが、歯周病はなりやすいため、日頃からケアすることが大切です。
【参考】猫に歯磨きは必要って本当?口臭が気になったらチェック!
ウイルス性の病気
猫風邪や猫白血病ウイルス、猫エイズウイルス、猫カリシウイルス等で口内炎ができることがあります。しかし、必ずしも口内炎ができるかと言えばそうではありません。
免疫反応の異常などが原因として考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていないのです。
免疫力の低下
免疫力の低下や、ビタミンE不足によって口内炎ができることもあります。この場合、体調不良や栄養不足が改善すれば治ることが多いのが特徴です。そのため、飼い主も気が付かないうちに口内炎ができて治っていたということも珍しくはありません。
口の中の傷
口の中をけがすることで口内炎ができることも。これは人間も同じですね。おもちゃで遊んでいて誤って口の中を切った、何かを食べたということも考えられるため、危険なものはきちんと片づけておきましょう。
口内炎の治療方法
口内炎は重症化すると自然に治癒することが難しくなります。また、一時的に治っても再発することも多く、長く治療をする必要があるのです。やはり一番は早期発見、早期治療すること。では、口内炎にはどのような治療が必要なのでしょうか。
歯石除去
歯石が原因の口内炎の場合、原因である歯石除去をおこないます。歯石除去は麻酔をかけておこない、費用は平均3万円~5万円程度です。
ただし、歯石の付き具合や抜歯が必要な場合はそれ以上の金額がかかることも…。ただし、歯石除去をおこなってもまた着くため、日頃から歯磨きなど歯石予防をすることも大切です。
薬の投薬
ステロイド剤や抗生物質を投薬して治療します。ステロイドは痛みが改善し食欲も戻るとされていますが、副作用もあることを忘れないでください。
また、長期使用すると効きにくくなり、また口内炎がぶり返すこともあります。根本的な治療ではなく、一時的な痛みを取る治療と考えておきましょう。多くの場合、口内炎の治療をするのではなく、口内炎を引き起こしている基礎疾患に対する治療が優先されることがほとんどのようです。
これは、基礎疾患を治療することで、口内炎も治まってくるとされているからです。
レーザー治療
猫の口内炎で使われるレーザーは「半導体レーザー」と「炭酸ガスレーザー」の2種類があります。半導体レーザーは、口内炎の痛みを軽減する効果が期待でき、口を開けなくても皮膚の上から当てることができるのが特徴です。
ただし、1回だけで完治することはなく、定期的に通院する必要があります。炭酸ガスレーザーは、患部を焼灼し短期間で効果が得られるのが特徴です。患部に直接レーザーを当てるため、麻酔を使っての治療となります。
抜歯
口内炎の改善に歯を抜いてしまうのも方法です。口内炎治療では効果が高く、細菌が繁殖しにくくなるためか、9割以上の猫が改善するとも言われています。
歯が無くなるとエサが食べられないと思うかもしれませんが、猫はエサをほとんど噛まずに丸呑みするため問題はありません。ただし、抜歯となると費用も高額になり手術になります。そのため、獣医さんときちんと相談することが大切です。
まとめ
猫の口内炎は甘く見ていると命の危険にもつながるため、早期治療が必要になります。そのためには、日頃からお口のケアをおこなうことも大切です。
我が家の猫(6歳オス)は、歯周病にはなっていないものの歯石はついています。口臭もあり、口内炎のリスクも考えるとそろそろ「歯石取をした方が良いかな」と考えています。