猫にも起こる認知症@こんな症状が出ていたら要注意!
昔に比べると猫の寿命もずいぶん伸びました。室内飼いが増え、栄養管理がきちんとされたエサに獣医療の発達、今では飼い猫の平均寿命は約16歳です。少しでも長く、愛猫にそばにいて欲しいと思う飼い主の方も多いことでしょう。
しかし平均寿命が延びれば、それだけ猫の老後も考えなくてはなりません。今では介護を必要とする猫ちゃんも多くいるのです。さらに猫も高齢になれば介護だけでなく、人間と同じ認知症になるリスクが高くなることをご存知でしょうか?
そこで今回は、猫にも起こる認知症についてご紹介いたします。「まだまだ先の話」と思っているか飼い主の方も、かわいい猫の将来のためにぜひ参考にしてください。
猫の認知症とは
認知症は、脳の老化などで脳神経細胞が正常に働かなくなり、認知障害などが起こることです。以前は「猫は認知症にならない」と言われていましたが、現在では猫も人間と同じように認知症になるということが分かってきました。
特に10歳以上の子に現れやすく、必ずしもすべての老猫が認知症になるとは限りません。我が家で以前飼っていた猫は18歳でしたが、亡くなるまで認知症の症状は現れませんでした。
また猫の認知症発生率は犬に比べると低く、10~15%以下とも言われています。ただ猫の認知症に関する研究はまだまだ進んでいないため、解明されていない部分も多くあるのが現状です。
こんな症状が出ていたら要注意
では、猫が認知症になるとどのような症状が現れるのでしょうか。猫の認知症のサインとして現れる症状を確認してみてください。
■猫の認知症のサイン
- 知っている場所で迷う
- 飼い主が呼んでも無反応
- 飼い主や他の動物と関わろうとしない
- 夜中に鳴き続ける
- トレイの場所や、今までできていたことができなくなる
- 活発で無くなる、反対に活動的になり過ぎる
- 検索行動の減少
- 毛づくろいなどの自己ケアをしなくなる
- 摂食異常になる、反対にエサを食べなくなる
- 意味の無い繰り返し行動をする
- 狭い場所に入って出てこられない
このような症状が現れたときは、認知症の可能性があります。高齢になると猫も動きが鈍くなり、寝ている時間もうんと多くなるため「単なる老化」と思われがちです。気になることがあれば、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。
猫の認知症の原因
猫の認知症の原因には2つのことが考えられます。まずは高齢になることで起こる認知症です。人間と同様、加齢による脳の経年劣化が最大の要因となります。
一度死滅した脳細胞は基本的に再生しないため、細胞数が最大量に到達するとあとは減る一方となるのです。そしてもう一つの原因がストレスです。ストレスは脳内における酸化物質の蓄積を促進し、認知症を発症すると言われています。
認知症の予防方法
愛猫に少しでも元気で長生きしてもらうために、日頃から認知症の予防を心がけてみてください。そこで、認知症の予防方法をご紹介いたします。
運動でストレス軽減
高齢猫でストレスを溜めてしまうと、認知症になる確率が高くなります。そこで猫の体力にあった運動で、ストレスを軽減させてあげてください。特に完全室内飼いをしている猫ちゃんは、運動不足になりがちです。
キャットタワーを設置したり、飼い主が猫と遊んであげたりするのも良い方法です。1回の遊びの時間を長くするのではなく、短時間の遊びの回数を増やす方が猫にはよい運動になります。
認知症によい栄養素
認知症に効果があると言われている『オメガ3脂肪酸』。この物質は脳の機能を回復させる働きがあると言われています。猫の認知症予防に『オメガ3脂肪酸』が入っているエサやサプリを与えれば効果を期待できます。
例えば、私が今猫に与えているカナガンキャットフードには『オメガ3脂肪酸』が含まれています。
【参考】カナガンキャットフードの口コミ
ただし認知症を治すものではないため、認知症になる前から、あるいは認知症の初期段階で予防的に摂取するようにしてください。
猫に刺激を与える
老猫になると動きも鈍くなり、自分から遊ぶことも減ってしまいます。特に室内飼いで1匹だけ飼われている猫は生活が単調になり、ほとんどの時間を寝て過ごしているという子も少なくはありません。
そこで、少しでも猫に刺激を与えてあげてください。一緒に遊ぶ、ブラッシングをする、猫に話しかけるなど、飼い主とのコミュニケーションは猫にとっても良い刺激になります。
まとめ
猫の認知症は犬に比べると低いと言われています。しかし、認知症は一度発症してしまうと完治することはありません。多くの場合食事療法と薬で、認知症の進行を遅らせるための治療となるのです。
愛猫が少しでも長く元気でいてもらうためにも、日頃から認知症の予防をしておくことをお勧めします。
若い猫の場合、まだまだ活発に動いて自分から刺激を求めようとするでしょうが、7歳ごろから少しずつ動きも鈍くなります。「最近、うちの子良く寝ているな」「前よりも動きが鈍いな」と感じたら、飼い主とのコミュニケーションを増やして刺激を作ってあげてください。
猫も人間も、老後の備えを若いうちからおこなっておくことが大切です。