犬化する猫が増えているって本当?犬っぽい猫の原因
皆さんが飼っている愛猫はどんな性格ですか?甘えた、ツンデレ、シャイなど、猫によっても性格は様々ですが、多くの人が「猫はマイペースで人に媚びない」というイメージを持っているのではないでしょうか。
しかし、最近では犬のように飼い主にべったり、人と接するのが大好きという猫ちゃんも増えているのです。今回は、犬化する猫が増えている理由についてご紹介します。
本来の猫の性格は?
猫と犬では習性や性格は全く異なります。まずは、本来の猫の性格を確認してみてください。
単独行動を好む
猫は犬とは違い基本単独で行動する動物です。
子猫のときは母親と兄弟たちと一緒に生活はしますが、やがて巣立ちをすると親子や兄弟で同じテリトリーにいることはほとんどありません。それぞれ縄張りを持ち、侵入する猫がいれば追い出してしまいます。
自由気ままな性格
単独行動を好む猫は自由気ままな性格です。誰かに合わせるということはほとんどありません。
そのため、犬と違ってしつけや芸をさせることはとても困難。多くの猫は自分が気に入らなければそっぽを向いてどこかに行ってしまいます。
警戒心が強い
猫は野生時代の名残りからか、警戒心がとても強い動物です。
テリトリー意識の高い猫は、見知らぬ動物や猫などが近づくと「侵入者では?」と警戒し身構えます。また、単独で行動する猫は自分の身は自分で守らなければならないため、より警戒が強くなったと言われているのです。
飼い主も同等
犬は群れで生活をし、その中で上下関係があります。
しかし、猫は群れることがないため他の猫であっても同等の立場です。これは人間に対しても同じだと言われています。飼い主であっても猫は、「自分より大きな形がちがう猫」くらいにしか思っていないのです。
なぜ犬化する猫が増えたのか
近年では犬よりも猫の飼育数が上回り、飼育の方法も昔と比べると随分と変わりました。
そのため、「本当に猫?」と疑いたくなるような性格の猫ちゃんも多くなったのです。我が家の黒猫も出会ったときから「犬みたいな性格」をしています。では、なぜ犬化する猫が増えたのでしょうか。
飼育に対する考え方
今では昔と違って完全室内飼いが増えて、飼い主と猫の距離も縮まっています。
外に出ることがない猫にとって、家の中が生活の全てです。日中の半分くらいは外でも過ごしていた昔の猫と比べると、人間への依存度が高くなっていると言われています。
また、家の中で生活をしている猫達は、飼い主に甘えることで「エサやおやつがもらえる」「遊んでもらえる」と学習するため、フレンドリーに接してくる猫ちゃんも増えてきたのです。
多頭飼いや避妊・去勢手術
最近では猫を多頭飼いしている人も増えてきました。基本、猫は単独行動をみますが、小さいころから他の猫と一緒に生活をすると、集団行動もできるようになるのです。
【参考】猫の去勢時期と手順@費用の相場やメリット・デメリットも解説
縄張り意識が高い猫も、多頭飼いをすることでお互いに適度な距離感を学習します。さらに、猫の繁殖力は強いため、飼育するときに避妊や去勢をすることがルールのようになってきました。手術をすると縄張り争いやけんかも減り、穏やかな性格になる子もいます。
飼い方によっても猫の性格が犬化していると考えられるのです。
もともとの性格
飼い猫だけでなく、中には野良猫なのに犬みたいな性格の子がいます。これはもともとの性格が関係しているようです。
猫も十人十色。飼い猫であっても全く飼い主に媚びることなく野生感あふれる子もいれば、ずっと人間の後をついてくる猫もいます。飼い猫にすればある程度は人間になれるかもしれませんが、犬化するかどうかはやはり個体差も大きいようです。
我が家の犬化した猫
我が家の3匹の猫のうち、一番犬に近い性格をしているのが現在推定7歳の黒猫(♂)です。野良猫時代から人懐っこく、息子の幼稚園の登園に一緒に付いてくるほどでした。決して幼稚園の中には入らず門の近くで私が出てくるまで待っていたのです。
帰りはまた一緒に私と家まで帰ってきました。その後、我が家の一員になっても犬のような性格は変わりません。
■犬化している我が家の黒猫
- ネズミのおもちゃを投げると取ってきてくる
- 誰かが家に来ると挨拶をしに行く
- 子どもたちがお昼寝すると添い寝をする
- 名前を呼ぶと返事する
- 玄関でお見送り、お出迎えしてくれる
今ではあまりおもちゃで遊ばなくなりましたが、5歳ごろまではネズミのおもちゃを投げると取ってきて、飼い主の前におもちゃを置いて座っていました。「投げて」と目で訴えていたのです。
さらに、家族が朝出かけるときは玄関でお見送りして、帰ってくると出迎えてくれます。その行動は完全に犬。我が家でも「こんな犬みたいな猫いないよね」と言われるくらいです。
まとめ
猫の飼育の考え方や、生活環境が以前と比べると随分と変化してきました。そのため、猫の性格も犬のように人間とフレンドリーになる子も多くいます。
もちろん、全ての飼い猫が犬のような性格になるわけではなく、やはり個体差が大きい部分はあります。我が家に後から来た猫2匹は、野良猫時代から警戒心が強くなかなか懐いてくれませんでした。
しかし、1年たった今では白黒ハチワレのオスは少しずつ犬化しつつあります。猫らしい猫ちゃんも犬っぽい猫ちゃんも、どちらも魅力があるのではないでしょうか。