猫と一緒に避難する準備は大丈夫?災害時に必要なグッズまとめ
2016年4月、熊本を震源とする地震は各地に甚大な被害をもたらしました。地震発生時は、筆者の住む福岡市でも、これまでに経験したことのない大きな揺れを感じ、数分間に渡る揺れと、その後も度々鳴り響く警報に、とても不安な思いをしたことを今でもはっきり覚えています。
その時、一番気になったのが我が家の猫のことです。もし地震が続き、家にいることに危険を感じたらすぐに飛び出さなければならないのですが、猫をどうしたらよいのか?
年に1度しか使わないキャリーバックを引っ張り出し、地震に怯える猫を押込んで、とりあえず財布と携帯電話をもって逃げる、それだけでも結構時間がかかりそうです。マンションが倒壊するようなことになれば避難生活も長くなるでしょう。
自分はともかく、猫の食事、トイレ、運動やストレス解消など、考えなければならないことは山積みです!
大切な猫ちゃんを災害から守るためには日頃の準備が大切です。この機会に改めて、災害時の猫と一緒の避難について、今できることをまとめてみました。
家の中の地震対策
筆者は、地震なんて滅多にないからと高を括り家の中の地震対策が何もできていませんでした。今回は特に被害はありませんでしたが、本棚やテレビが倒れる可能性は十分にあります。まずは倒れそうなものの固定は必須です。
特に気を付けて起きたのは、猫がいつもいる場所にものが落ちてこないようにすることです。猫は、地震の揺れだけでなく、物が落ちる音だけでも怯えてしまいます。いつもいる場所は、猫にとって安全な逃げ場になりますので、少々の揺れには耐えられるようにしておきましょう。
キャリーバックを怖がらない工夫
災害の際には、わずかな時間が命運を分けることになります。猫と一緒に避難するためにキャリーバックは必須ですから、いつでもすぐに使える状態にしておくべきです。通常からキャリーバックに慣れ親しみ、抵抗なく中に入るような工夫をしておくと、いざという時もスムーズに入ってくれます。
置き場所に困る場合は、キャリーバック自体を猫ちゃんのお気に入りの基地にしてしまう方法もあります。
前記のとおり、我が家のキャリーバックが活躍する機会は年に1度だけ。そのため通常はクローゼットの奥にしまっています。幸い我が家の猫は珍しいものに興味を示すタイプなので、久しぶりに見るキャリーバックにも興味津々で入ってくれますが、地震に怯えたときも同じとは言い切れません。早速実行しようと思います。
常備しておく持ち出しグッズ
実際に避難することを考えると、持っていきたいものがたくさんあることに気付きます。家に何日帰れなくなるかわからないので、自分の荷物だけでも結構な量になります。
その上猫と、猫の避難に必要なのものまで含めると、ちょっとした海外旅行のようになってしまいました。これは全く現実的ではありません。猫ちゃんとの避難に最低限必要なものは何でしょう?
猫の食事・水・食器
環境省のガイドラインでは、最低でも5日分となっています。避難用に用意しておくと劣化してしまうので、いつも食べているフードのストックを常に置いておき、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
食器はかさばらない折り畳みのものがあると便利です。
医薬品
避難場所にはペット用のお薬は期待できません。持病や治療中の猫ちゃんの場合は必ず持って行きましょう。
トイレ(猫砂)
慣れた猫砂でないと、決まった場所でトイレをしてくれない猫ちゃんもいます。ペットの排泄物問題は避難場所でトラブルになるケースも多いようですので、用意をしておきましょう。
毛布・タオル
避難場所にはペット用の備品は用意されていない場合がほとんどです。寒い時、濡れたときなど、猫用の毛布やタオルはいろいろな場面で活躍します。
災害時の救済はどうしても人間が優先され、ペットの管理は飼い主さんの責任となります。猫ちゃんに必要なものは、基本的には全て、飼い主さんが準備しておかなければならないと考えておきましょう。
避難場所の確認
自分の住む地域の避難場所は、必ず確認し、猫を連れて行くルートを確認しておきましょう。東北大震災以降、ペットの同行避難が原則となりました。避難場所に、ペットが避難する場所を確保することになっていますが、災害の緊急時はルール通りに物事が進むとは限りません。
先日の熊本地震の際には、ペットの鳴き声や臭い、動物アレルギーの問題などで避難場所に入れないケースもあったそうです。一緒に避難生活ができない場合に備えて、遠方に住む友人や家族など、一時預かり先を確保しておくと安心です。
迷子になったときのために
ご存知の通り、東北大震災のときはとてもたくさんのペットが迷子になってしまいました。災害の混乱時に離れ離れになってしまうと、飼い主さんのもとに戻れる可能性はとても低いと言われています。
そうならないために、迷子札やマイクロチップが推奨されています。迷子札は、首輪に飼い主さんの連絡先などを記載した札を付けておくものですが、猫の場合外れてしまうことも多いようです。
マイクロチップの装着は有料で引っ越しなどに伴いデータの更新も必要になりますが、もしも迷子になって保護された場合、身元を確認する手段としてはかなり有効です。検討してみる価値はあると思います。
まとめ
今回は、突然の災害時に慌てないために、準備しておきたいことについてご紹介しました。現在猫ちゃんを飼ってある方は、一度実際に猫同伴の避難グッズを用意してみられることをおすすめします。
筆者自身そろえてみて感じたことですが、本当に必要なものをコンパクトにまとめるのは意外と難しいものです。天災はいつ起こるかわかりません。大切な猫ちゃんを守れるのは飼い主さんだけです。対策は思い立ったらすぐ、実行しましょう。