私のベッドで出産をした愛猫@自分との場所を出産場所に選んでくれて嬉しかった
私の大事な猫の名前はスミと言います。名前の由来は、子猫の時の毛の色が白と灰色っぽい黒で、お習字に使う墨汁が半紙に薄く滲んだ時の色にそっくりだったからです。
スミとの出会いは突然でした。ある日、どこかへ出かけていた父が帰ってくるなり、私に車に来るようにと大声で呼んだのです。何事かと思って駆けつけたら、助手席に手のひらに乗るくらいの子猫が大人しく座っていました。
明らかに雑種とわかる姿でしたが、鼻筋が整って顎にほくろのような黒い模様がある、とても美人な女の子。
猫など飼ってはいけないと、祖母が常日頃から言っているのに、この子猫はどうしたの?と父に質問しました。
すると、私がいつも猫を飼いたいと言い、図書館から猫の飼育方法の本を借りて読みふけったり、テレビで猫の特集があれば食い入るように見ていたのをお父さんは知っていると言いました。
生まれつき泣き虫で優しい性格のスミ
そして、そんな私の姿を見て、もう飼ってもいいかと思っていたそうなんです。そんなとき、新聞の個人広告に猫の譲渡の広告があったので、引き取ってきたと言いました。
引き取りに行った先には3匹の猫がいて、その中から父はひと目見てスミを気に入ったそうです。そのお宅のお嬢さんは、スミはおおらかで優しい性格だと進めてくれ、泣き虫で甘ったれの私にはそんな性格の猫の方が良いだろうとスミをもらってきてくれました。
スミは子猫のころから大人しくどっしりしていて賢く、一度注意したことはよく覚えてほとんどいたずらをしなかったです好物の刺身が夕飯に出た時も、盗み食いなどせず与えられるまでずっと待っていてお行儀よく食べていました。
私の隣が指定席で、寝るときも私のベッドで眠り、寒いときは布団の中にもぐりこんで枕を当てて寝たります。また、朝出かける私の見送りに縄張りギリギリまでついてきてくれたりと、成長するに従って私のことを妹か娘のように思っている節がありました。
あんなに小さかったスミがお母さんになる日がくるなんて
スミとの生活の中で一番の思い出は、スミの出産です。避妊手術を考えていた矢先、妊娠がわかって、私は子猫が生まれるのをとても楽しみにしていました。そして、日に日に大きくなるおなかを毎日撫てる生活です。
そして、ある日のこと朝目が覚めると、私のベッドの上をスミが落ち着かない様子でうろうろしています。そして、しきりにお尻のあたりをなめていたので、これは生まれる!とピンときて慌てて母を呼びました。
出かける用事があったのでその後の事は母に任せっきりになってしまいましたが、無事に3匹の子猫が生まれてとても嬉しかったです。
なにより私のベッドがスミにとって安全な出産場所だったのかと思うと、ますますスミが好きになりました。
猫は安全な薄暗いところで子猫を生むと本に書いてあったけれど、私の自宅は古い物置や縁の下などがあるのでどこで生むのかちょっと心配でしたが、その心配は杞憂に終わりました。
子猫たちは無事によそのお宅にもらわれていき、スミはしばらく子供たちを探していてかわいそうでしたが、次第にいつもの様子に戻りました。
スミももう今年で10歳になりますが、まだまだ元気で暮らしています。これからもできるだけ長く一緒にいたいので、食べ物や気温に気を付けてあげていきたいですね。