猫の去勢時期と手順@費用の相場やメリット・デメリットも解説
かわいい子猫も数カ月もすると大人へと成長します。メス猫は生後6か月~1年で発情期が訪れ、オス猫は生後6か月~10カ月で成熟期を迎えるのです。
メス猫の場合、子猫が生まれたてもそれ以上飼育できないと避妊手術を受けさせる飼い主も多くいますが、オス猫の場合「子猫が生まれるわけでもないし、手術するのはかわいそう」「完全室内飼いだから」などという理由から、去勢手術を迷っている飼い主の方もいるはずです。
しかし去勢手術は猫だけでなく、飼い主にとってもメリットがあることをご存知でしょうか?
そこで今回は、オス猫の去勢手術のメリット・デメリット、手術を受ける時期と手順をご紹介します。
オス猫が発情するとどうなるの?
多くのオス猫の場合、生後6か月~10カ月で成熟期を迎え、子孫を残すことが可能となります。実はオス猫はメス猫のように決まった時期に発情期を迎えることはなく、発情したメス猫の鳴き声や匂いに反応し、「ソワソワした動きをする」「大きな声で鳴く」などの行動がみられるのです。
また縄張り意識も高くなり、少量のおしっこを飛ばす「スプレー」と呼ばれる「マーキング」行為を行うようになります。少量とは言え、「スプレー」を部屋のあちこちにされるとやはり気になるのが匂いです。
この行為に悩まされる飼い主も少なくありません。さらに猫同士の喧嘩も増えたり、普段おとなしい子が外に出たがるようになったりと、飼い主を悩ます行動を起こすことも珍しくはないのです。
去勢手術を受けるメリット・デメリット
オス猫の場合、生後6か月頃から去勢手術が出来るようになり、8か月頃までに手術を終わらせておく方が良いと言われています。
しかし、中には手術に対して不安があるという人もいるはず。そこで去勢手術と受ける前にきちんとメリットとデメリットを検討してみてください。
■去勢手術のメリット
- 放浪癖がなくなる
- 猫同士のけんかが改善される
- 「スプレー」行為が改善される
- ストレスが軽減されるので長生きしやすい
- 精巣腫瘍を予防できる
- 前立腺肥大などの前立腺疾患の発生率を低下させることができる
- 猫のケンカでかかる病気が軽減する
■去勢手術のデメリット
- 繁殖ができなくなる
- 麻酔のリスクがある
- 運動量が減るため、肥満になりやすくなる
- 尿石症になりやすくなる
去勢手術を受けるまでの手順
去勢手術は、猫の健康と年齢を考慮して行われます。生後6か月頃から手術は可能ですので、猫を家族に迎えたらすぐに去勢手術のことも考えておきましょう。
以下では、去勢手術をうけるまでの手順を5つのステップに分けてご紹介します。
1.病院選び
去勢手術を行うために、信頼できる動物病院を探す必要があります。猫を飼っている飼い主から情報を得たり、実際に病院を訪れて雰囲気を見たりするのも良い方法です。また電話で問い合わせをする時は、去勢手術にかかる費用や検査、手術までの手順など丁寧に説明してくれるかどうかも病院選びの判断基準になります。
2.去勢手術の予約を入れる
病院が決まったら、手術の予約を入れます。遅くとも手術を希望する1週間前には一度動物病院に予約をお願いするようにしてください。
病院によっては1か月先まで手術がいっぱいということもあるので、早めに連絡をするようにしましょう。
3.手術前日
夕方までは食事を与えてOKですが、朝は食事を抜くようにしてください。ただし、水は飲んでもかまいません。事前に病院から説明があるので、先生の指示に従うようにしてください。
4.手術当日
予約時間前に病院へ連れて行き、血液検査や健康チェックを行います。ただし検査や問診は、病院によっては入院前に行うこともあるので、事前に確認をしておいてください。多くの動物病院では、猫を預けて飼い主はそのまま帰宅となります。
5.手術後
去勢手術は当日退院です。朝に病院に入院して、夕方には退院になります。ただし、病院によるので確認は必要です。手術後は普段の生活通りに過ごして問題はありません。ただし、お風呂に入れるのは1週間ほど控えるようにしましょう。
オス猫の去勢手術の場合、手術時間は約30分程度で終わります。術後は抜糸が無いことも多く、去勢手術はそれほど猫に大きな体の負担はかかりません。
去勢手術を受ける時期と費用はいくら?
去勢手術は、「スプレー」行為が始まる前に行う方がよいと言われています。一度「スプレー」行為を覚えると、手術後も残ることがあるからです。
また老齢になると麻酔のリスクも考えられるため、若い時期のほうがより安全です。子猫を家族に迎えたら生後6か月~7カ月頃に、成猫の場合は健康診断などを受けて問題が無ければ、去勢手術をすぐに受ければ良いでしょう。
去勢手術の費用は病院によっても異なりますが、平均で1万5,000円~2万5,000円くらいかかります(うちの場合は手術の費用は1万5,000円でした)。
中にはこれよりも安い費用を挙げている病院もありますが、検査代などが含まれていないこともあるので、詳しくは動物病院できちんと確認してみてください。さらに、市町村によって手術代の補助が出ることもあります。去勢手術を受ける前に、住んでいる場所の市役所ホームページなどを一度チェックしてみてください。
まとめ
オス猫を家族に迎えたら、なるべく早めに去勢手術をうける準備を始めてください。
「うちは完全室内外だから手術を受けなくても大丈夫」と思っていても、ふらっと外に出てしまうこともあるかもしれません。特にメス猫が発情期の時期は、普段おとなしいオス猫も外に出ようとすることも珍しくはないのです。また、「スプレー」行為は、匂いはもちろんのこと大切な家具などもダメにしてしまいます。
去勢手術は猫はもちろんのこと、飼い主にとってもメリットが大きいと言えるのです。元気で長生きしてもらうためにも、オス猫を家族に迎えたら去勢手術の時期を早めに検討してみてくださいね。