猫の毛球症の原因と症状@予防と治療方法も解説
我が家のにゃんこは長毛です。1日1度、ブラッシングをするのですが、毎日毎日「こんなに?!」と思うくらいたくさんの毛が取れます。猫ちゃんに多い「毛球症」が、特に長毛種に多いといわれるのも、このブラシに絡んだモフモフの毛を見れば納得です。
ブラッシングをしたからといって、全ての抜け毛が取れるわけではありません。軽く撫でるだけで、また新たな毛が次から次に出てくるのですから、猫ちゃんが一生懸命グルーミングすることで抜ける毛も相当なものでしょう。この毛が猫ちゃんのお腹に溜まることを考えるとゾッとしますね。
毛球症は猫にとってとても苦しい病気です。毛球症にならないためになにができるか?いち早く毛球症に気付いてあげるには?など、ここでは、猫ちゃんの毛球症について、その症状や治療法、予防法についてご紹介します。
毛球症になる原因は?
毛球症はとは、猫ちゃんの口から体の中に入った毛が体外に排出されず、胃などの消化器官に溜まってしまう病気です。
通常口から入った毛は、吐いたりそのまま便と一緒に排泄されるのですが、その流れがスムーズにいかなくなることで発症することが多く、主に下記のような原因が考えられます。
■毛球症になる原因
- ブラッシングの不足などで、グルーミングで飲み込んでしまう毛の量が多い
- ストレスや病気などにより、必要以上のグルーミングをする
- 高齢や他の病気により、吐き出す力が弱くなっている
毛球症の症状とは?
毛球症になると、食欲がなくなり、便秘になります。また、吐くようなそぶりは見られますが、実際は何も出てこない、少しだけ食べてすぐに吐くことを繰り返すなどの様子が見られることもあります。毛が徐々に溜まって大きくなっていくので、お腹を触られるのを嫌がるようになる子もいます。
初期のころは猫ちゃんも比較的元気な場合が多いので、つい見過ごしてしまいがちな症状ですが、お腹の中で大きくなった毛玉は猫ちゃんの食欲を妨げ衰弱の原因にもなるんですね。
また、大きくなった毛玉を吐き出そうとして窒息しそうになった例も見られます。「毛玉くらい」と思いがちですが、毛球症は死に至ることもあるとても危険な症状なのです!上記のような状況が見られたら見逃さず、毛球症を疑ってみましょう。
毛球症の治療
毛球症の治療を動物病院で行う場合、症状に合わせて主に下記のような治療をします。
1.毛球除去剤
チューブに入ったペースト状のものを、猫ちゃんの口元に塗って舐めさせるものです。商品によって内容成分は様々ですが、流動パラフィンやワセリンなどの潤滑剤が入っていて、これを摂ることによってお腹の中の毛を便と一緒にツルンと排出させる効果があります。
毛球除去剤は市販で購入することもできます。長毛種などを飼っていて、毛玉を頻繁に吐くような子には、薬というよりサプリメントとして使用している飼い主さんもいるようです。基本的には長期に渡って使用しても問題はないとされていますが、誤嚥や使用する量など、注意しなければいけない点もありますので、使用を考える場合はまず獣医さんに相談してみましょう。
2.外科手術
毛球除去剤を舐めさせても効果が現れない、または腸閉塞を起こす危険のある重篤な場合などは、お腹を切って直接毛玉を取り出す開腹手術をすることになります。
開腹手術は、診察・レントゲン・血液検査・麻酔など、猫ちゃんに掛かる負担は膨大なものになります。お腹を切られ、入院して知らない場所に閉じ込められる精神的なショックも大きいでしょう。できれば、このような状態になる前に、なんとかしたいものですよね。
4つの毛球症の予防方法
猫ちゃんには、こまめにグルーミングをして体をきれいする習性がありますので、毛を飲み込んでしまうこと自体は防ぎようがありません。予防法は、できるだけ飲み込む量を少なくすることです。飼い主さんができる工夫を考えてみましょう。
1.ブラッシングを念入りにする
一番の対策はブラッシングです。飼い主さんが日々手を掛けて丁寧にブラッシングをしてあげることによって、グルーミングで体内に入って行く毛の量を減らすことができます。
中にはブラッシングが苦手な子もいますので、猫ちゃんが気持ちのいいところから始めて、徐々にブラッシング好きな子になるように努力しましょう。短毛種は1日1回。長毛種はできれば1日2回が目安です。猫が好きな頭や首回り子猫の頃からスタートして、背中、お腹を丁寧にブラッシングしてあげましょう。
4.できるだけストレスや恐怖を与えない
猫ちゃんのグルーミングには、体を清潔に保つ役目と、もう一つ、精神状態を落ち着かせる役目があります。ストレスや恐怖を感じると、自分を落ち着かせるために必要以上にグルーミングをします。その結果、いつもグルーミングをする部分の毛が全部抜けて、ハゲてしまう子もいるそうです。
余計なグルーミングの回数を減らしてあげることは、毛球症の予防に大きくつながります。猫ちゃんを観察してグルーミングが頻繁だと気付いたら、ストレスの原因を探し、解消してあげましょう。
3.へアボールコントロール食やサプリメントの活用
キャットフードには、「へアボールコントロール」機能が謳われいるものがあります。お腹の掃除をしてくれる食物繊維を増やすことで、飲み込んだ毛も排出しやすくするように作られています。
食物繊維の適量には個体差があり、稀に便秘になってしまう子もいるようですので、ヘアボールコントロール機能のあるキャットフードを与える場合には、しばらく便の状態に注意しましょう。
先にも紹介した通り、毛球除去剤をサプリメントとして使用するのも効果が期待できます。特にブラッシングが嫌いな子、長毛種の子など、毛球症になるリスクが高目の子には、予防として使用するケースも多いようです。
定期的に使用を検討する場合は、まず獣医さんに相談することをおすすめします。毛球除去剤は商品によって成分に違いがありますので、しばらく便の状態をよく観察して、便と一緒に毛が排泄されているかどうかをチェックしましょう。
猫草を食べる子には、猫草による毛球症予防もおすすめです。ただし、草なら何でも良いわけではありません。猫草は、主にイネ科の植物を指しています。猫に有害な植物はたくさんありますので、必ず猫用の「猫草」と言われるものを与えてくださいね。
4.絡まりそうな異物を除去
毛球症の主な原因は猫ちゃん自身の毛ですが、中には毛に絡まって糸くずやビニール紐などが出てくる場合もあるようです。これらが毛に絡みつくことによって、より毛球症になりやすくなると考えられます。
面白そうなものなら何でも口にしてしまう猫ちゃんです。糸くずや紐など、猫が興味を示しそうなものは、できるだけ手の届かないところに片付ける習慣を付けるようにしてください。
まとめ
たかが「毛」がたまっただけと侮ると、大変な事態になってしまう「毛球症」。もっとも手軽で有効な予防手段であるブラッシングには、やはり気を付けてあげたいですね。
ちなみに我が家の猫はブラッシング好きなのですが、どうしてもお腹はさせてくれません。でも、よくソファーにもたれてお腹辺りをグルーミングしている姿を見かけます。現在、お腹のブラッシングも好きになってくれるよう、あの手この手で日々格闘中です。
毛球症を予防するためには、毛の排出をサポートするためにサツマイモや豆類などの食物繊維を豊富に含んだフードがおすすめです。
ちなみにうちの猫には「ジャガーキャットフード」を食べさせています。
値段は決して安くはありませんが、食物繊維が豊富な上に、ヘアボール排泄を目的とした添加物は入っていませんので、安心して猫ちゃんに与えることができます。
こちら(↑)は実際にうちの猫にジャガーを与えてみた感想記事です。よろしければご覧になってみてください。