老猫が長生きするために気をつけたい7つのコツ@実体験を踏まえて解説
猫の寿命は平均16歳前後だそうですが、最近は長生きする猫も増えてきたようです。我が家にも20歳5ヶ月まで生きた雄猫プーさんがいました。
子猫時代が可愛いのはもちろんですが、それに負けず劣らず可愛いのが老猫なのです。若い頃は血気盛んだったプーさんも、年老いてからはのんびり穏やかで動きもゆ~っくり・・・なんとも味わい深いおじいちゃん猫に。
最後の数年間、老年期の猫をお世話した日々は本当に満ち足りた幸せなものでした。
脳も身体も衰えてきますから、色々対策は必要です。老猫なって出てきた症状をあげてみると…
- 小食になる(栄養不足)
- 水分不足(腎機能低下に注意)
- 便秘がちになる=よく吐く
- トイレの失敗(間に合わない)
- 身づくろいをしなくなる(毛づくろいしない、爪を研がない)
- 要求が多くなる(甘えん坊の構ってちゃん)
- 夜鳴き、徘徊(認知症)
この他には白内障(軽度)、耳が遠くなる、ヨダレ、腰が曲がるなど。人間と一緒ですよね。工夫次第でかなり改善する部分もあるので、我が家のお世話のコツ・ポイントを紹介します。
1.小食になる
食べる量が減るので、私は水分が多い缶詰に動物用の栄養剤やハーブを入れて工夫しました。すぐ飽きてしまうので、手作りごはんも取り入れました。
白身魚とみじん切りにした野菜を栄養スープに入れたものがうちの猫のお気に入りでした。せっかく作っても食べてくれないことは多いです。めげずにあの手この手を試しましょう。
2.水分不足になりやすい
老猫は水分不足になりがち。動くのが億劫だったり、喉が渇いていることに気づいていなさそうな時もあるのです。老猫の口元まで水を持っていってあげましょう。
ハッとしてゴクゴク飲むことも。無反応な時は口を少し濡らしてやると喉の渇きに気づいて飲むこともあります。小マメにあげるのが◎。
うちの猫の時は知らなかったのですが、その数年後、実家の猫の晩年は電解質パウダーを水に溶いてあげていました。少し楽になるようです。
3.便秘がちになる
19歳になると便秘がちになってよく吐くようになりました。おなかをそっとマッサージしてあげるとかなり改善します。
うちの猫はマッサージされると楽になる(ウンチが出る)ことに気づいて、自分から「揉んで」と言わんばかりに腹を押し付けてくるようになりました。
マッサージのやり方はおなかから足の付け根のリンパのあたりまで揉んだりさすったり、優しく優しく刺激を与えます。愛猫が気持ちよさそうにしてくれると飼い主まで幸せな気分に♪毎日愛猫を揉んでいると手触りで腸に便があることもわかるようになりますよ。
4.トイレを失敗しやすくなる(間に合わない)
排泄が上手くいかないことが多くなります。粗相しがちな場所にはペットシーツを敷いておきましょう。我が家の場合はトイレに間に合わなかっことが多いので、粗相してしまうことの多いトイレ前に置きました。
最初は粗相するたびに猫はすまなさそうな顔をしてしょんぼりするので「気にしなくていいんだよ」となぐさめていました。
凹む様子がいつも気の毒だったのですが、やがてそれは終わりを迎えます。ある時からうちの猫は気持ちを切り替え、「もうここでする!」と堂々とペットシーツでオシッコするようになったのでした。トイレにまたいで入るのも億劫になったのかも知れません。
5.身づくろいをしなくなる
若い頃はちゃんと指の間にしまえてた爪も、老猫になると出っぱなしになってしまいます。歩くときはカツカツと爪の音がするのです。爪研ぎもあまりしなくなるので伸び過ぎて巻爪になると肉球に刺さってしまうこともあります。
爪はマメに点検して切ってあげましょう。肛門が汚れてガビガビになると排便の時に切れて出血することもあります。毎日ぬるま湯で濡らしたコットンやガーゼでお尻まわりを拭いて綺麗にしてあげましょう。
これを言うと「え、毎日じゃ大変そう」という反応をする人もいますが、ウンチが固まってしまってから肛門を拭くより、その都度拭いてやった方が猫も辛くないし人間も楽なんです。
うちの猫は肛門拭きは嫌そうでしたが、「仕方ねえな」という顔で渋々やらせてくれました。
老猫はオシッコやウンチを踏んでしまうことも多いので、足もマメに拭いてあげましょう。毛づくろいもしなくなり、ヨダレも多くなるので、時々は全身を濡れタオルで拭くと良いです。
お世話されてる時は猫が満足げな顔をしてくれるので、こちらも嬉しくなって拭いていました。本当に幸せな時間でした。
6.要求が多くなる
若い頃はひとりを好み、あまり甘えなかったプーさんですが、老猫になって大変な甘えん坊になりました。便秘の項目でも書きましたが、おなかが張って辛い時は日に何度も「揉んで」とやってきます。
トイレを失敗した時は「大変だ~!!」と言わんばかりにワオワオ騒ぎながら呼びに来ます。
初めは「何事!?」とビックリしたほど大げさに騒ぐのでした。猫にとっては重大なことだったのでしょうね。片づけ終わるまで傍らで鳴き騒いでいる真剣な顔が可愛くて笑ってしまう私でした。
7.夜鳴き・徘徊が多くなる
うちの猫が15歳の頃、動物病院で認知症初期と診断されたことがありました。昼は大人しいのに、夜になると大声で鳴きながら家じゅうを徘徊するのです。一心不乱に鳴いている時は名前を呼んでもわからないようでした。
抱いてやるとやっと鳴き止みます。抱いたままベッドに入るとそのまましばらく眠るものの、また起きだして夜鳴きの繰り返し。これには困ってしまいました。
色々試しましたが、効果が見られたのはペット用のハーブ。鎮静作用のあるハーブチンキを餌に数滴混ぜて食べさせました。
あと、暖かいとあまり夜鳴きしないことに気づき、冬は床暖房をつけっぱなしにしました。それでもダメな時は抱いてあやします。大変だけどやっぱりこれが一番。あやされると嬉しそうに甘えます。
猫も最後は赤ちゃんに戻っていくのかも知れません。本当に認知症なのかは疑問でした。なぜなら、うちの猫の夜鳴き徘徊は寒い時期だけだったのです。
毎晩夜鳴き徘徊する冬を3回ほど過ごし、マンションから戸建ての家に引っ越した後、プーさんの夜鳴き徘徊はぴたりとなくなったのです。引っ越しのストレスが起爆剤になったのでしょうか。それから最後まで夜鳴きをすることはありませんでした。
引っ越し先での新しい主治医に聞いても「認知症は治らないはず」と言いますが、実際に晩年のうちの猫は、のほほんと機嫌のいい静かなおじいちゃん猫だったのです。
人間でもそうですが、脳に刺激がなさ過ぎると呆けてしまうのかも知れません。そういえば、夜鳴きしていた期間も来客があって遊んでもらったりすると数日間静かに眠ったこともありました。
猫の個体差もあると思うので、うちの猫の話が皆さんの助けになるかはわかりませんが、愛猫の夜鳴きでお悩みの飼い主さん達が何かヒントにしてくださったら幸せです。
まとめ
子猫を育てるより何倍も手がかかるのが老猫介護です。でも大変な分、愛猫との最後の蜜月でもあります。お水やごはんに無反応で無駄になってしまってもガッカリしないで、あの手この手で優しく攻略しましょう。
じっと親しげな瞳で見つめてくれる時、そっと手を舐めてくれる時、愛猫の優しい気持ちが伝わってきたりするのです。
介護は大変だと思うと辛くなってしまいますが、お世話していると、「この時間が宝だな」という幸せ感に包まれることもしばしば。ポイントは「無駄になってもめげない」ですよ!
あと、猫の下痢や嘔吐がひどい場合はゲージも用意するのもおすすめ。具合の悪い時、猫は家じゅうを下痢や胃液で汚すこともあります。
介護が長丁場になると飼い主が参ってしまいますから、気力体力を温存しなくてはなりません。「閉じ込めるのは可哀想」よりも「早く治してね」という気持ちで養生してもらいましょう。
皆さんの老猫との暮らしが幸せなものでありますように。