猫ひっかき病には要注意!主な症状と予防方法
猫と生活をしていると、ひっかかれた経験が一度はあるはずです。猫の爪は鋭く本気で爪を出していないとはいえ、傷がしばらく残ったということも珍しくはありません。
我が家でも以前飼っていた猫は気性が激しくて、飼い主にも容赦なく爪を出す猫でした。ひっかかれ方によってミミズ腫れになることも珍しくはなく、かなり年月が経った今でもうっすらと傷後が残っているほどです。
猫は手が出るのが当たり前で、「ちょっとくらい引っ掛かれても大丈夫」と軽く考えている人もいるかもしれませんが、実は傷をそのまま放置しておくと後から大変なことになることをご存知でしょうか。
そこで今回は、猫ひっかかれたり噛まれたりすることで発症する『猫ひっかき病』についてご紹介します。
猫ひっかき病の原因と症状
猫ひっかき病とは、猫に引っかかれたり噛まれたりすることで起こる感染症のことです。猫だけでなく「ネコノミ」からも感染することもあり、症状として引っかかれた患部や周辺のリンパ線が大きく腫れあがり、発熱をともなう場合もあります。
『バルトネラ属菌』と言う細菌が人間の体内に入ることで発症する病気ですが、猫がこの菌に感染しても何も症状はありません。
しかし、症状は出なくても日本に生息する猫の1割がこの『バルトネラ属菌』に感染していると言われているんです。特に子猫や野良猫は菌の保有率が高いので、触る時は気を付けましょう。
■猫ひっかき病の主な症状
- 患部の発赤(約10日後)
- リンパ節の腫れ
- 発熱
- 全身倦怠
- 関節痛
- 吐き気
猫に引っかかれたからと言って、必ず猫ひっかき病にかかるとは限りませんが、免疫力が低い子どもや高齢者は重症化するリスクが高くなるので注意してください。
猫にひっかかれたらどうしたらいい?
猫にひっかかれたり、噛まれたりした傷口は放置せずにきちんと処置をしましょう。「ちょっとくらいなら大丈夫」と思っていたら、時間が経つにつれて傷口が化膿してきた、膨れ上がってきたということも良くあることです。
■猫に引っかかれたときの対処法
- 1.傷口を流水で洗い流す
- 2.アルコール消毒をおこなう
- 3.傷口をガーゼで抑える
まずは、傷口をしっかり流水で洗い流します。小さい傷口でも洗うようにしましょう。傷口が洗えたらアルコール消毒をして、傷口をガーゼで抑えます。出血がひどい場合は、止血をしてから必ず病院に行くようにしてください。
また、その時はそれほど大した傷でなくても、翌日に腫れたり熱を持ったりすることもあります。症状が悪化したときは、病院できちんと治療を受けるようにしましょう。猫ひっかき病は、菌の数が減少すれば自然治癒することが多いため、経過観察で様子を見ることが多いようです。
猫ひっかき病の4つの予防方法
飼い主が気を付けていても、愛猫にひっかかれることもあるはずです。猫が『バルトネラ属菌』を持っているかどうかも見た目には分からないため、日頃から私たちも予防を心がけなければなりません。そこで、猫ひっかき病の予防方法をご紹介します。
1.飼い猫の爪はこまめに切る
猫ひっかき病の多くが、猫の爪から感染しています。いくら飼い主が気を付けていても、猫の機嫌次第で爪を出して攻撃されるか分かりません。ひっかかれても傷にならないように、飼い猫の爪はこまめに切るようにしてください。
2.ノミの駆除をおこなう
猫ひっかき病はネコノミを通して感染するため、猫のノミの駆除も予防方法の一つです。特に保護した猫や外出が自由にできる猫の場合、気が付かないうちに外からノミをもらってくることがあります。
市販用のノミ取り用の薬や首輪も売られていますが、病院で処方される薬の方が効果は高いようです。
3.猫を外に出さない選択
猫を完全に室内飼いにするのも予防する一つの方法です。他の猫と接触することで、『バルトネラ属菌』にかかる確率も高くなります。完全室内飼いは、他の猫との接触を減らせる、ノミをもらってくるリスクも低くなるという訳です。
4.野良猫には手を出さない
猫好きの人なら、人懐こい野良猫をみるとついついかまいたくなる人もいることでしょう。しかし、猫は気まぐれです。ゴロゴロと喉を鳴らしているかと思えば、急にそっぽを向いてひっかかれることも。
そのためよっぽど懐いている猫ちゃん以外は、下手に手を出さない方が安全です。また子猫の方が成猫よりも感染率が高いとも言われているので、触る時は注意してくださいね。
まとめ
『猫ひっかき病』は重症化しなければ自然と治る病気です。しかし油断は禁物。軽く引っかかれただけでも、重症化する恐れもあるのです。実際に、我が家でも父が保護した猫にひっかかれて『猫ひっかき病』に感染したことがあります。
引っかかれた次の日に傷口が腫れあがり、発熱したために病院に受診。1週間抗生物質を飲んで治した経験があります。保護した猫だったため『バルトネラ属菌』を持っていたのでしょう。
猫を見ただけでは『バルトネラ属菌』に感染しているかどうかはわからないため、日頃から予防策をおこなっておくことが大切です。
また小さい赤ちゃんや妊婦さんは、有効な抗菌薬や鎮痛剤などが使用できないこともあるため特に注意してくださいね。