ペットショップから保護猫を迎える選択@猫を買う前に考えませんか?
先日、子どもたちと一緒に実家近くのショッピングセンターへ出かけました。そこのショッピングセンターの隣にはペットショップがあり、子どもが小さい頃はよく犬や猫を見に行っていた場所です。
久しぶりに訪ねると、以前となんだかお店の様子が異なることに気が付きました。ずらっと猫や犬が入った部屋はなく、大きなガラス張りの部屋一つ。中には数匹の子猫がいるものの、その猫もペットショップでは見ない種類の猫。
ガラスには猫達の情報が書かれている紙が貼られ、値段は記入されていません。よく見ると「里親募集」の文字が目に留まりました。実はそのペットショップでは、保護猫の里親を募集していたのです。
そこで今回は猫を買うのではなく、ペットショップから保護猫を迎える選択肢について考えてみてください。
ペットショップで保護活動が増え続けている3つの理由
ペットショップの様子が大きく変化していることを知っていますか。ペット販売だけでなく保護猫や保護犬の譲渡に力を入れたり、生体販売自体を辞めてしまうペットショップもあるのです。ではなぜ今、ペットショップ事情が大きく変化したのでしょうか。
1.生体販売に対する考え方の変化
生体販売に対する考え方も以前と比べると変わってきました。小さい子猫や子犬を店頭で販売することは衝動買いを促し、結果不幸なペットが増える現状があります。
さらにテレビ番組や雑誌などで悪質ブリーダーの大量の動物遺棄事件が報道されたり、飼育環境の劣悪な状況を伝えるメディアが増えてきたこと、また欧州をはじめとする先進国では生体販売を禁止している国も多いことなども理由の一つです。
そのため「ペットショップでペットを買わない」という選択をする人も多くなっています。
2.保護活動の知名度が上がった
以前と比べると猫や犬の保護活動の知名度も上がりました。メディアで取り上げられることも多く、ペットを迎える選択肢の一つに「里親」を考える人も多くなってきたのです。
また個人の考えだけでなく「犬、猫の殺処分数0」を目標に挙げる自治体も多くなり、国や地域をあげて「動物愛護」を意識するようになったのも大きな要因と言えます。
3.不幸な猫や犬の現状が見えるようになった
ネットやメディアの普及により、不幸な猫や犬の現状が昔よりも見えるようになったことも大きな理由の一つです。
猫の多頭飼い崩壊や、ペットショップで売れ残った犬や猫のその後、悪徳ブリーダーの現状、保健所の内情など。特にネットで上げられた情報は正しい情報でなくても信用してしまう人が多くいます。不幸な猫や犬の現状見えるようになったことで、「不幸な子を減らしたい」と里親を希望する人も少なくはありません。
ペットショップから保護猫を引き取るメリットとデメリット
以前は生体販売だけだったペットショップも、今では保護猫や保護犬を扱うお店も少しずつ増えてきました。まずは、ペットショップから保護猫を引き取るメリット・デメリットはどんなことがあるのか確認してみましょう。
■メリット
- 費用が安く済む
- 不幸な猫を減らすことができる
- ケアされた保護猫を迎えることができる
- ネットなどで里親募集する手間や不安がない
ペットショップから血統書付きの猫を購入すると数万円~数十万円程度の費用がかかります。しかし、保護猫の場合は譲渡費用のみで引き取ることができるのです。
譲渡費用はショップによっても異なります。さらにネットで里親募集をすることに手間がかかる、知らない人とやり取りする不安があるという人にもおすすめ。
店頭で実際に猫を見て、気に入ればショップで手続きをするので「詐欺にあうのでは」「知らない人と情報を交換するのが不安」という人にも安心して猫を迎えることができます。
■デメリット
- 譲渡条件がある
- いつでも保護猫の募集があるとは限らない
- 希望すれば必ず里親になれるわけではない
お金を出して猫を購入するのであれば条件なしで誰でも買うことができるものの、保護猫の場合はきちんと審査があります。譲渡条件に合わない場合は猫を引き取ることができません。
これはペットショップだけでなく、保護猫を迎えるときに必ずあるものです。また、お店にいつでも保護猫がいるとは限りません。猫を迎えたいときに希望する猫が選べないこともあるのです。
犬・猫の譲渡活動をしているペットショップ3店
今ではペットショップの形も以前とは変わってきました。ペットを購入するだけでなく、譲渡活動に力を入れているショップも増えてきたのです。そこで、保護猫や保護犬を迎えられるショップを3店ご紹介します。
1.イオンペット「LIFE HOUSE」
「LIFE HOUSE」は、大手スーパーのイオン系列のペットショップです。2008年から、不幸な犬猫を少しでも減らすためにと開設されました。「LIFE HOUSE」では地元の行政機関と協力して、猫や犬を新しい家族を見つける取り組みをおこなっています。
現在、全国で12店舗あり、そのうち犬の保護活動をおこなっている「inu. LIFE HOUSE」が6店舗、猫の保護活動をおこなっている「neco. LIFE HOUSE」が6店舗です。また、今募集中の猫や犬はホームページからも確認できます。
【参考】イオンペット「LIFE HOUSE」
2.1wan group
「1wan group」では、生体販売だけでなく諸事情などで保護された猫や犬を愛護団体・NPO法人より引き取り、新しい飼い主を探す活動をしています。
譲渡に関しては譲渡条件があるため、セカンドパートナーの募集については各店へお問い合わせをしてください。ネットでの問い合わせも可能です。
また譲渡には費用がかかりますが、その全額を愛護団体に寄付されます。里親募集をして、さらに愛護団体に寄付ものもうれしいですよね。
【参考】1wan group
3.シュシュ
ペットショップ「シュシュ」は、岡山県にあるお店です。生体販売を辞めたペットショップとして、メディアでも大きく取り上げられているので知っている人も多いのではないでしょうか。
里親になるためにはスタッフが自宅まで届ける引き渡しが条件となるため、岡山県内に住んでいる人のみが対象となります。また、ネット通販の売上5%が保護活動の費用に充てられるため、何か協力したいと考えている人はHPを確認してみてください。
【参考】シュシュ
まとめ
最近はペットショップ事情も変化してきました。血統書付きの猫や犬をお金を出して買うのではなく、保護された猫や犬に手を差し伸べる動きが少しずつ広がっています。
こういう活動が広がるのはとてもうれしいことです。もし、今から猫を迎えたいと思ったらペットショップで購入をする前に保護猫という選択肢も考えてみてください。
今回紹介したお店以外でも、保護活動をしているお店が少しずつ増えています。猫や犬の殺処分数0を目指して、ペットショップの保護活動が今後増えればいいですね。
【参考】猫を飼うとどうなるの?猫がもたらす身の周りの変化