猫へのキャットニップの上手な与え方@効果やメリットも紹介
「キャットニップ」というものをご存知ですか?
多くの猫が好む匂いがする植物で、猫ちゃんに与えると、臭いをかいだり齧ったり、ゴロゴロ転げまわったりぐにゃぐにゃしたり、まるで酔っぱらったような状態になるといわれています。
よく似たものに「マタタビ」がありますね。我が家のにゃんこもまたたびが大好きで、たまに粉末状のマタタビを与えると、顔や頭をこすりつけてゴロゴロスリスリ大騒ぎです!
猫に対して同じような作用を与えるマタタビとキャットニップですが、いったい何が違うのでしょう?キャットニップとは何なのか?また、猫ちゃんへの上手な与え方とは?など、キャットニップに関する様々な情報をご紹介します。
キャットニップとは?
キャットニップとは、シソ科イヌハッカ属に属するの多年草のハーブで、和名を「イヌハッカ」といいます。
茎と葉は軟毛に覆われ、ミントに似た匂いがあります。8月~9月頃に、白や藤色の小さな花を咲かせ、西洋ではハーブティーやサラダの食用、かぜの症状や頭痛の緩和など、古くから人間におなじみの植物です。もちろん猫の遊びものとしても知られてきました。
キャットニップは「西洋マタタビ」とも言われ、猫が匂いを嗅いだり食べたりするとゴロゴロスリスリの興奮状態になり、その様子はまさにマタタビを与えたときと同じような状態になります。
ちなみに、マタタビはマタタビ科マタタビ属マタタビの落葉低木です。もう一つよく似た作用があるものとして、キウイも知られています。フルーツとしてよく見かけるキウイは食用に改良されたものですが、改良前のキウイは、マタタビ科マタタビ属サルナシといって、この実を食べると猫ちゃんはうっとりするそうです。
なぜ猫は酔っぱらう?
猫を夢中にさせる成分は、キャットニップに含まれる「ネペラクトン」という物質です。ネペラクトンに反応するのは猫だけではありません。ライオンやトラなどの、大型の猫科の動物にも同じような反応がみられます。
キャットニップによってライオンが飼い猫のようにゴロゴロスリスリする動画がありますが、そこには威風堂々としたいつもの姿とかけ離れた、とてもかわいらしい様子を見ることができます。
ネペラクトンが、猫科の動物に特異的に影響を与えることから、以前は猫科の動物で発達している「ヤコブソン器官」という、フェロモンをキャッチする部分に作用していると考えられていましたが、さらなる研究の結果、直接脳内の特定部分で感知されていることが確認されました。
ただし、酔っぱらったような反応を示す猫ちゃんの確率は50%~70%。全ての猫に影響を及ぼすわけではありません。個体差はありますが、特に子猫では反応が見られないケースが多いようです。
キャットニップのネペラクトンという物質が猫の行動に影響を与えていることは解明されたのですが、それがいったい何のためなのか?ということは、残念ながら未だ謎のままなのです。
キャットニップの3つのメリット
多くの猫ちゃんがキャットニップの香りを好むことから、その習性を利用していろいろな活用がされています。
猫用のおもちゃとして
キャットニップをそのまま食べたり噛んだりする猫もいますが、基本的には乾燥させてポプリにしたり、細かく砕いて粉にしたものを、猫ちゃん用のおもちゃに入れて使います。
キャットニップ入りのおもちゃに顔を擦り付けたり、抱きかかえてケリケリしたりして熱心に遊んでくれます。また、飽きてしまったおもちゃに使用すると、ふたたびお気に入りに復活します!
爪とぎなどのしつけ
爪を研いでほしい場所に使用すると早く覚えてくれます。また、新しい爪とぎを気に入ってくれなかったり、研いでほしくない場所から引き離す場合にも効果的です。
元気のない猫ちゃんの刺激になる
元気のない猫ちゃんに刺激を与えてくれます。病気ではないのに、元気がなかったり食欲が落ちている場合など、少し刺激を与えたいときに使用してみましょう。
ストレスの解消
キャットニップの香りには、興奮だけでなくリラックス効果もあります。新しい家に引っ越すなど、急に環境が変わってイライラがたまっている猫ちゃんのストレス解消にも有効です。
キャットニップを与える際の注意点
キャットニップによる猫ちゃんの健康に及ぼす害として、科学的に証明される資料は現在のところありません。しかし、何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」といいますから、猫ちゃんが喜ぶからといって与え過ぎはよくありませんね。
特にてんかん持ちの猫、妊娠中の猫には使用を控えることが推奨されています。市販されているキャットニップを使用する場合は、記載されている用量をよく読んで使いましょう。
また、自宅でハーブとして栽培される場合には、猫ちゃんがガブガブ食べてしまわないように注意する必要があります。あまり頻繁に与えるとキャットニップに対する興味も薄れてしまい、せっかくの効果も期待できなくなります。
一般的には、週に1度程度の使用が適切です。万が一、猫ちゃんに異変を感じた場合には、キャットニップを与えていることを伝えて、獣医さんに相談することをおすすめします。
まとめ
筆者自身、猫を飼うようになって初めて知った「キャットニップ」です。知らないだけに使用するにあたっては不安もあり、今回詳しく調べてみた次第です。1日中室内で、一人で過ごすことの多い我が家のにゃんこにも、キャットニップはいろいろな利用価値がありそうです。
キャットニップは初心者のハーブ栽培としても、育てやすくとても強い植物ということですし、ハーブティーやサラダなど、人間にも嬉しい植物ですので、時期を見て栽培にも挑戦したいと考えています。