猫の座り方で気持や健康状態がわかる@いつもと違う時はこんな病気かも?
猫がチョンと座っている姿を見て癒される飼い主さんも多いのではないでしょうか。猫は体が柔らかいので、いろいろな座り方をします。中でもよく目にするのが「香箱座り」。手を胸の部分に入れて、すまして座っている姿はとてもかわいく思いますよね。
実は猫の座り方は6種類あり、それぞれの座り方で今の猫の気持ちが分かるとまで言われているのです。そこで今回は、座り方からわかる猫の気持ちについてご紹介します。
猫がいろいろな座り方をする理由
猫を見ていると「なんで?」と思うような座り方をする子もいます。まずは、なぜ猫がいろいろな座り方をするのかを確認してみましょう。
体が柔らかいから
犬と違って猫の体は柔らかく、細い場所でも入ることができます。そのため、体を丸くしたり伸ばしたりと言う動きが得意な猫は、様々な座り方をすることができるのです。
特にお腹、肉球、前足は柔らかいため変わった座り方をする猫ちゃんがいることも納得できるかもしれませんね。反対に犬は体が硬いと言われています。
体型や遺伝的なもの
猫の体型や遺伝的なものから、一番楽な座り方をしていることも考えられます。
例えば、肥満の猫ちゃんであればうつ伏せで寝るよりもお腹を出した方が楽だったり、グルーミングがやりやすい座り方だったり、遺伝的な骨の形成だったりと言うこともあるのです。
生活環境でも違う
野良猫と飼い猫でも座り方が異なります。これは警戒度が違うためです。野良猫はいつでもすぐに動けるような座り方しかしません。
その反面、外敵がいない飼い猫であれば大胆な座り方をしても襲われる心配がないため、飼い主もびっくりするような座り方をする子もいるのです。
猫の座り方6種類
では猫はどんな座り方でリラックスをしていたり、警戒していたりするのでしょうか。6つの座り方をご紹介します。
香箱座り
香箱座り(こうばこずわり)は、お腹を床につけ全ての足を体の下に折りたたむようにして座り方です。
お香等を収納する香箱に似ているためこの名前が付けられました。
この座り方はリラックスしているときに良くみられます。中にはそのままの姿勢でウトウトと寝てしまう子もいるはず。
足を折って座っているため、何かあったときに急に行動することができないためか、野良猫でがこの座り方をすることはあまりありません。
スフィンクス座り
スフィンクス座りは、お腹を地面につけて後足を折りたたんだ状態で、前足を前に出したままの座り方です。スフィンクスに似ていることからこの名前が付けられました。
猫がスフィンクス座りをしている時は、比較的落ち着いている状態です。
お腹をしっかりと地面につけているものの、前足が出ているため何かあったときにはすぐに動ける状態です。少し警戒はしているものの、基本はリラックスしています。
エジプト座り
エジプト座りは、後足を折りたたんでお尻だけを地面につけて、前足を行儀よく後足の前に揃えた座り方です。
旅館の女将さんがお客さまを迎えるときに三つ指をついてあいさつをする様子に似ていることから「三つ指座り」とも呼ばれています。
野良猫にもよく見られる座り方で、すぐに動けるメリットがあります。体をペタンと地面につけた座り方と違い、警戒レベルはほかの座り方よりも少し高目です。
しっぽ巻き座り
しっぽ巻き座りは、しっぽを前足に巻き付けている座り方のことです。しっぽを脚に巻き付けているのは警戒をしている気持ちの表れと言われています。
また、この座り方は体を温める防寒具代わりとして足に巻きつけていることもあり、寒い時にも見られます。臆病な猫ちゃんほどしっぽ巻きすわりをしているはずです。
横座り
横座りは前足は地面に付けたまま、後ろ足を横に流すように座る姿勢です。
一見、座っているというよりは寝転んでいると言った方が良いかもしれません。横座りは野良猫にもよく見られる座り方で、比較的落ち着いてリラックスしているときに見られます。
スコ座り
スコ座りは足を大股に開き、まるで人間のような座り方をする姿勢で、スコティッシュフォールドによく見られる座り方です。スコ座りはすぐには動くことができないため、非常にリラックスした状態と言われています。
スコ座りはスコティッシュフォールド以外の猫ちゃんでも見られることもあるため、日ごろからよく観察してみてください。
いつもと座り方が違うときは
愛猫がいつもと違う座り方のときは、何かしらの病気が隠れていることがあります。実は、スコ座りもスコティッシュフォールド等の品種見られる事が多い「骨軟骨異形成」という遺伝性疾患が関係していると言われているのです。
その痛みを避ける為にスコ座りをしているという説が有力だと考えられています。
猫の骨軟骨異形成とはどんな病気?
骨軟骨異形成(こつなんこついけいせい)は、骨が正常に成長しない遺伝性疾患です。骨軟骨異形成を患っている場合、関節の痛みや深刻な合併症を発症する可能性があります。
スコティッシュフォールドやマンチカン、ペルシャなどは骨軟骨異形成になりやすい品種とも言われています。
猫の変形性関節症とはどんな病気?
猫の変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)は、肥満や加齢よって骨と骨を繋ぐ関節部分に炎症が発生している状態の事です。骨関節炎とも呼ばれています。
症状として、元気がなくなる、関節が腫れる、歩き方や座り方が不自然になるなどが挙げられます。
猫の膝蓋骨脱臼とはどんな病気?
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれる膝のお皿が太ももの骨からずれてしまう状態の事です。
主に高いところから飛び降りた時や、ぶつかったなど外傷によって発症しますが、遺伝によって発症しやすい品種もいます。
猫の椎間板ヘルニアとはどんな病気?
椎間板(ついかんばん)ヘルニアとは、背骨の間にあるクッション(椎間板)が潰れて変形してしまっている状態の事です。
ケガや加齢、肥満によって発症し、初期症状で痛みを感じる場合が多いので、日ごろから猫の歩き方や座り方などをチェックしておくことも大切です。
【参考】猫の動物病院選びは慎重に@獣医さんの人柄と腕は別問題です!
まとめ
猫の座り方で気分を読み取ることができます。中にはかわった座り方でリラックスする猫ちゃんもいるでしょう。
しかし、いつもと座り方が明らかに違う、またはおかしいと感じたら何かしらの病気の可能性もあります。日ごろから猫の座り方や歩き方がおかしくないか、チェックすることも忘れずに。