猫の白血病とはどんな病気?症状や感染ルート・予防方法
日頃から、愛猫の健康管理には気を付けているという人も多いのではないでしょうか?
飼い主であれば、愛猫には元気で長生きしてもらいたいと思うものです。しかし、中には猫の命を奪う怖い病気もあることをご存知ですか?
その一つに『猫白血病』という病気があります。病名を聞くと、人間の白血病を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、実は猫と人間の白血病は少し違います。
そこで今回は『猫白血病』について、どんな病気で予防方法があるのかなどをご紹介します。
猫白血病ってどんな病気?
猫白血病は『FeLV』というウイルスが病原体となって、猫同士で感染する病気です。このウイルスに感染すると、その20~30%の猫に白血病やリンパ腫といった血液の腫瘍の発生がみられるため、このような名前が付けられました。
その他にも、免疫力が低下することによってさまざまな症状を引き起こします。
■猫白血の主な症状
- リンパの腫れ
- しこり
- 貧血
- 慢性的な発熱
- 体重の減少
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 脱水症状や食欲不振、減退
- 長期に続く下痢
- 口内炎
- 繰り返す皮膚病
- 歩行困難
- 呼吸の乱れ
ただし、猫白血病のウイルスを保有していると必ず病気が発症するというわけではありません。無症状期(キャリア)のまま、発症しない猫もいます。
また、感染した年齢によっても大きく異なると言われているのです。産まれたてで感染すると、ほぼ100%持続感染(常にウイルスが体のどこかで増えている状態)になり、発病するとほとんどの子が死亡してしまいます。
しかし、これが離乳食期だと50%、1歳を過ぎると10%と、年齢を重ねるにつれてキャリアの確率は減っていくのです。
猫白血病の感染ルートは?
猫白血病の感染ルートはいくつかあります。主に感染源は唾液、涙、血液、母乳、便です。
■猫白血病の主な感染ルート
- 感染猫との喧嘩
- 感染猫とのグルーミング、食器共有
- 感染母猫からお腹にいる子猫への感染(垂直感染)
白血病は、口や鼻からウイルスが体の中に入ることで感染が成立します。外に遊びに行く猫ちゃんや、去勢や避妊手術をしていない子は特に注意が必要です。
また、多頭飼いをしている場合、猫同士が舐めあったり、食器の共有で感染することもあります。多頭飼いの場合は、猫白血病キャリアの猫を隔離したり、ノンキャリアの猫にきちんと予防接種を受けさせるなどの対処が必要となります。
猫白血病の予防、治療方法は?
猫白血病には大きく分けて2種類の症状があります。
猫白血病急性期
急性期は白血病ウイルスに感染後、1ヶ月ほどして初めて症状が現れます。主な症状は食欲不振や元気が無いなど、風邪のような症状と似ているのも特徴です。
急性期に早期発見し、きちんと治療をおこなえば、完治することも可能です。貧血がひどい場合は、輸血して体力の回復を図ります。また、白血球が急減していれば、二次細菌感染を防ぐために抗生物質を投与します。
猫用インターフェロンを投与しながら猫の免疫力を少しでも高め、 自然治癒を目指すのが急性期の一般的な治療方法です。免疫力が強ければ、ウイルスを自力で排除することができ、今後猫白血病に感染することはほとんどないと言われています。
猫白血病慢性期
急性期を乗り越えても、体内で白血病ウイルスの持続感染が続いていると、1、2年後に再び発病し慢性期となります。
慢性期は体力もかなり低下しているため、元気なときには発症しないような病気を併発したり、合併症を引き起こしたりと様々な症状が出るのが特徴です。慢性期になると、余命は2~3年とも言われています。
予防方法
猫白血病は、キャリアであっても必ず発症するとは限りません。もし、愛猫が猫白血病キャリアであると分かっても、ストレスをかけずに免疫力を高めることで発症を防ぐことができるのです。
また、健康診断も1年に1度きちんと受けるように心がけてください。さらに多頭飼いをする場合は、ノンキャリアの猫ちゃんにはきちんと予防接種を受けさせる、できれば隔離して飼育するなどをおこなうことで、他の猫への感染を防ぐことができます。
ただし、予防接種は副作用も考えられるため、動物病院で相談してから接種を検討してみてください。
■猫白血病の予防方法
- 完全室内飼いにする
- 猫白血病のワクチンを接種する
- 避妊、去勢手術をする
- 定期検診を受ける
まとめ
猫白血病は、感染した年齢によっても発症率は大きく異なります。一番は、猫白血病ウイルスを体内に入れる要因を減らすことです。
もちろん、キャリアであっても必ず発症するとは限らないため、日頃から免疫力を高めて、ストレスフリーな生活を心がけてくださいね。
もし、愛猫が白血病ウイルスを持っているかどうかを知りたいというときは、病院で相談してみてください。血液検査でウイルス検査をすることができますよ。
【参考】猫の病院選びの5つのポイント@病気になる前にチェック!