猫の風邪に気をつけて!原因と予防・治療方法
寒い季節がやってきました。季節の変わり目は人間でも体調を崩しやすくなりますね。さっそくマスクをして、辛そうにコンコンと咳き込む人の姿も見られます。体調管理には気を使うこの季節、寒さが苦手と言われることが多い猫ちゃんの場合はどうでしょう?
これから始まる寒い冬を健康に乗り切るために、猫ちゃんの健康管理には気を付けたいものです。この記事では、特に寒くなるこの季節に多くなる「猫風邪」について、飼い主さんが覚えておきたい情報をご紹介します。
猫も風邪をひく?
そもそも「風邪」というのは病気の名前ではなく、現れる症状を指した通称です。人間の風邪と言えば、くしゃみや鼻水、発熱などが代表的な症状ですね。
猫も、くしゃみ・鼻水など人間の風邪と同じような症状が現れる病気があり、それらを総称して「猫風邪」と言われています。元気や食欲が無く、くしゃみをしたり鼻水が出たりする様子はまさに人間の風邪と全く同じような状態です。
空気が乾燥して気温が低い時期に多くなるのも人間の風邪とよく似ています。人間の場合、「風邪かな?」と思ったら、薬を飲んで暖かいところでゆっくり休めば2~3日で治る病気ですが、猫ちゃんの場合年齢や環境によっては重篤な状態になることもある怖い病気です。
下記のような症状が見られたら猫風邪の可能性があります。様子をよく観察して、早めに獣医さんに相談しましょう。
■猫風邪の可能性
- くしゃみ、咳が出る
- 鼻水、涙が出る
- 食欲がない
- 発熱
- 目ヤニが多い
猫風邪の原因とは?
猫風邪の主な原因は、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、猫クラミジアウイルスなどによる感染です。また、これらのウイルスに複合して感染する場合もあります。
感染している猫のくしゃみや咳、食器の共有やグルーミングによって容易に感染するので、野良猫ちゃんや、屋外に遊びに行く子には特に注意が必要です。また、飼い主さんが感染した猫ちゃんに触ることで、ウイルスの運び屋になってしまうこともありますので要注意です!
それぞれのウイルスには、くしゃみ、鼻水、食欲不振、発熱などの共通する症状のほか、下記のような特徴があります。
- 猫ヘルペスウイルス…鼻周辺の皮膚炎・角膜炎・結膜炎・目ヤニ
- 猫カリシウイルス…よだれ・口内炎・舌炎
- 猫クラミジアウイルス…気管支炎・肺炎・目ヤニ
猫風邪の治療法
猫風邪かな?と思ったら、ひどくなる前にまず獣医さんに診てもらいましょう。
「風邪くらい」と考えがちですが、猫ちゃんの風邪は初期の対応次第では長引いてしまうことも、命に係わることもあるものです。安易な考えは要注意です!
風邪の特効薬がないのと同じように、猫風邪に対する特効薬もありません。病院では症状を抑える対処療法が主な治療となります。
ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬、免疫力を高めるインターフェロン、二次感染を防ぐ抗生剤などが獣医さんの判断に基づき投与され、その後は猫ちゃん自身の力で自然に治るのを待つことになります。回復は通常2週間ほどが目安です。
飼い主さんは、猫ちゃんが早く回復できるように下記の点に気を配ってあげましょう。
食事
風邪を引いた猫ちゃんは食欲がなくなることが多いので、柔らかく食べやすいウエットフードを少し温めてあげたり、食欲をそそる匂いの強いトッピングをしてあげて、体力が落ちないように注意しましょう。
脱水症状
脱水症状をおこさないように、水分をきちんと摂れるように気を付けましょう。
衛生管理
目ヤニや鼻水がひどい場合は、湿らせたガーゼやティッシュで優しく拭き取ってあげてください。
環境管理
暖かく静かな場所で、猫ちゃんがゆっくり休める環境を整えて、多頭飼いの場合は他の猫ちゃんへの感染を防ぐために隔離します。
猫風邪を予防しよう!
猫風邪にかかると猫ちゃんはとても苦しい思いをします。まずは猫風邪にかからないように予防することが大切です。
予防法として代表的なものは、やはり「ワクチン接種」です。猫ヘルペスウイルス・猫カリシウイルスは3種混合ワクチンで予防することができます。
猫クラミジアウイルスも、5種混合、7種混合ワクチンでカバーされています。いずれのワクチンも感染を完全に防ぐことはできませんが、万が一感染したときの症状を軽減することが可能になります。
残念ながら野良猫ちゃんは予防をしてあげることができません。できれば飼い猫ちゃんは屋外に出さないようにして、感染している猫ちゃんと接触を避けましょう。また、前述したとおり、飼い主さんがウイルスの運び屋にならないように、帰宅したら必ず手を洗うことも大切な予防法の一つです。
まとめ
寒い冬に増える「猫風邪」について、原因と対処の方法、予防法をご紹介しました。猫風邪は、お母さん猫からもらった免疫力が弱くなる生後8週間以降の子猫や、年齢を重ねて体力が低下した老描で重篤な状態になる可能性が高いといわれています。
特に子猫や老描の飼い主さんは気を配ってあげたいですね。
風邪を引いてしまうと人間でも苦しいものです。愛猫にはいつも健やかに過ごしてほしいですよね。まずはしっかり予防して、それでも引いてしまったら速やかに獣医さんに相談し、できるだけ早回復するように気を配りましょう。