猫のひげは切ってはダメ!意外に知らない髭の重要な役割
猫の小さな顔の横に、立派な長いひげ。よく見るとそのひげにも動きがあり、ダランと下を向いていることもあれば、ピンと真横になっていることもあります。このひげ、猫によって長さも色も違うようです。
我が家の猫を観察すると、長さは普通、色は体毛と同じ黒色、右と左でひげの多さが少し異なっています。さらに少し前までは左側に一本だけ白いひげが生えていましたが、気が付くとそのひげは無くなり、全て真っ黒に変わっていました。
前に実家で飼っていた猫は、長めで白色のひげが生えていました。見ているだけでも不思議な猫のひげですが、実は意外な役割もあるのです。そこで今回は猫のひげは切っても良いのか、ひげの役割についてご紹介します。
猫のひげには重要な役割がある
猫は口の左右、両目の上、両側の頬、あごの合計4か所に50~60本のひげが生えています。このひげは、猫の生活にとって重要な役割があるのです。
1.自分が通れる場所かを判断している
猫はひげを使って、自分の体が通れるかどうかを判断しています。立派に伸びたひげの根元には神経がたくさん集まっていて、微妙な振動や空気の流れ、空間も感知しているのです。
2.空気の流れを感じて暗闇を歩ける
空気の流れも敏感に感知できるひげは、暗闇でもその効力を発揮しています。視力が弱い猫は、ひげにある神経を使って真っ暗な場所でも障害物に当たることなく行動ができ、獲物を捕らえることができるのです。
3.目を守る
目の上にある眉毛のような長い毛もひげです。目の上のひげは、まぶたの神経と繋がっていて、目を守る役割をしています。
4.感情の表現
猫のひげを見ると、いつでも同じ向きではありません。感情によってひげの向きが変わっているのです。
もし猫のひげがなかったら?
猫にとってひげはなくてはならないものですが、もしそのひげがなくなったらどうなるのでしょうか?猫のひげは切ってもまた生えてきます。しかし、生えてくるまで猫は不自由な生活を強いられることになるのです。
- 平衡感覚を失う
- 俊敏な動きができなくなる
- 障害物から身を守ることができなくなる
- 狩りをするときに、獲物との距離感がつかめなくなる
猫のひげを切ってしまうと、新しく生えてくるまで部屋の隅でじっとして動かない猫もいるそうです。そのため、猫のひげを切らないようにしてください。
猫の種類によってひげが長い子もいますが、長さにもちゃんと意味があるのです。邪魔になるからと切ってしまうと、猫にストレスを与えてしまうので注意してくださいね。
ひげから猫の気持ちを読み取ろう
猫のひげを見ると、そのときによって微妙に変化しています。そこで、ひげの向きや動きで猫の気持ちを読み取ってみましょう。
1.ひげが前を向いているとき
センサーの役割もしている猫のひげ。ひげが前を向いているときは、まわりの情報を集めようとしているときです。そのため猫の気持ちは、「なんだろう」と軽い緊張状態だったり警戒モードだったりします。このとき猫をよく見ると、目を開いて耳もピンと立っているはずです。
2.ひげが上を向いているとき
猫のひげが上を向いているときは、嬉しかったり楽しかったりしたときに見られます。例えばおやつやエサを貰えるとき、大好きなおもちゃで遊んでいるとき、褒められたときなどです。ひげだけでなく、しっぽもピンと上を向いていればかなり機嫌がよい証拠。
大好きな飼い主と一緒にいるときなども、ひげが上を向いていることが多いはずです。
3.ひげが後ろにそっているとき
ひげを後ろに反っているときは、驚いたり恐怖を感じたりしているときです。苦手な猫や人に会ったとき、怒られたり怖い思いをしたときに見られます。威嚇している猫を見ると、ひげが後ろに反って耳もペタンとなっているはずです。
4.ひげがダランと下を向いているとき
猫のひげがダランと下を向いているときは、アンテナをオフにしている状態です。これは寝ているときや大好きな飼い主と一緒にいるときなど、リラックスしている状態のときに見られます。
また、起きているのにひげが下を向いているときは「暇だな」と猫が感じている証拠。一緒に遊んであげると良いでしょう。
猫のひげは生えかわる
猫のひげは故意に切ってはいけませんが、古いものは自然と抜けて新しいひげに生えかわります。部屋の掃除をしているときに、猫のひげが落ちているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか?
中には自然に抜けたひげをケースに入れて、大切に保管しているという飼い主の方もいるはずです。
また、ねこのひげはご利益があるとも言われているため財布に入れて金運UPや、厄除けとして持ち歩いているとい人もいるのです。もし猫のひげが抜けて落ちていたら、記念に取っておくのも良いかもしれません。ネットショップでは猫のひげを保管する専用の桐箱ケースが売っているので、気になる方は探してみてくださいね。
まとめ
猫のひげは、私たちが思っている以上に色々な役割を持っています。ひげは運動感覚や情報収取、感情表現など生活するために必要なものとなっているのです。そのため、故意にひげを切らないようにしなくてはいけません。
ひげを切られることでストレスになり、生えかわるまで元気がなくなる猫もいるのです。また、むやみに引っ張ったりするのもNGです。
どうしてもご利益がある猫のひげが欲しいというときは、自然と抜けるのを待ちましょう。猫のひげも体の毛と同じように「換毛期(3月頃と11月頃)」に抜けやすいそうです。この時期を狙ってみてくださいね。