猫の血液型は3種類@飼い猫の血液型を知っておくメリット
人間にはA、B、AB、O型の4つの血液型タイプがあります。性格を判断したり、占いに使われたりと、私たちにはとても身近な存在ですよね。もちろん、血液型は人間だけに当てはまるものではありません。
同じように、猫にも血液型があることを知っていますか?なかなか知る機会がない猫の血液型ですが、大けがや病気などで輸血が必要になったときに知っておくと役立つ情報です。そこで今回は、猫の血液型を知っておくメリットについて紹介します。
猫の血液型は3種類
猫の血液型は人間と少し異なり、A型、B型、AB型の3タイプに分類され、O型は存在しません。
中でも最も多いのがA型です。日本の猫の90%はA型とも言われていて、B型は猫の種類により少数%存在し、AB型はほとんどおらず、純血種で稀に発見される程度です。
しかしアビシニアン、ソマリ、ペルシャ、ヒマラヤン、スコティッシュフォールド、スフィンクス、ブリティッシュショートヘア、エキゾッチックショートヘアなどの猫種の場合は、15%から30%以上の確率でB型が生まれと言われています。
そして最も数が少ないのがAB型です。AB型はAB型の親同士の間にしか生まれないため、猫にとってはかなり貴重な血液型になります。
また猫の血液型と性格の関連性ですが、型によっての性格の違いはありません。ほとんどの猫がA型なので、性格の違いがあるとすれば多くの猫が同じような性格になってしまいます。猫の性格は親猫や育った環境、被毛などで異なるため、血液型だけで性格が決まるわけではないのです。
猫の血液型を知っておく3つのメリット
猫の血液型の多くはA型です。しかし、確率は低くてもB型やAB型の猫もいるため、できれば愛猫の血液型を知っておく方がいざと言うときに役立ちます。そこで、猫の血液型を知っておくメリットを確認してみてください。
1.輸血のときの早急対応
万が一、愛猫がケガや病気で輸血が必要な場合、血液型を知っていれば早急に対応することができます。猫も人と同じで、異なった血液型の輸血をおこなうと副作用が発生します。
特にB型が持つ抗A抗体は非常に強力です。輸血処置の際にB型の猫にA型の血液を入れてしまうと、B型の血液中で抗原抗体反応が起きてしまい最悪の場合は死亡してしまう恐れがあります。そのため、同じ血液型の血を輸血しなければなりません。
しかし血液型が分からなければまず猫の血液検査をした後、結果が出てから輸血をするため時間がかかってしまうのです。
2.何かあったときに供給できる
反対に猫の血を供給する場合も、血液型が分かっている方がスムーズになります。多頭飼いをしていて、輸血が必要な猫ちゃんに別の子の血を輸血することもできるのです。
しかしいざ供給しようと思っても血液型が分からなければ検査からしなければなりません。もちろん、血液の供給には血液型だけでなく一定の条件をクリアする必要がありますが、日本では「犬猫専門血液バンク」が存在しないため、万が一のときのために供給できる準備をしておくのも大切なのです。
3.『新生児溶血』を予防することができる
B型の母猫から産まれたA型もしくはAB型の仔猫が母親の初乳を飲むことで、『新生児溶血』が起きて亡くなります。これは、生まれたばかりの子猫が母猫の初乳を飲んだ時、血液中の赤血球が破壊され、溶血性黄疸を起こしてしまう反応です。
去勢や避妊をしていれば子どもが生まれる心配はありませんが、子孫を残したい、血統書付きの猫なので子どもを産ませたいと考えているときは、きちんと母猫、父猫の血液検査をしておきましょう。
猫の血液検査の方法と費用
動物病院で猫の血液型を調べてもらうには、血液を採取して血液サンプルを検査機関に送って調べてもらいます。また、動物病院では緊急の場合に備えて「血液型簡易判定キット」を常備しているところも多くあるので、一度病院で相談してみてください。
「血液型簡易判定キット」の料金は病院にもよりますが、5,000円から7,000円前後で検査を受けることができます。
血液型を調べるだけにわざわざ病院に行くのは躊躇するという場合は、何かの検査のときに一緒に調べてもらうようにしてみましょう。何度も採血する手間もなく、猫にも飼い主にも負担が少なくなります。
まとめ
今では完全室内飼いの猫が増えたので、交通事故の大けがを負うリスクは少なくなってきました。しかし、ケガだけでなくガンなどの病気でも輸血を必要とすることがあります。猫の血液型を知っておくことで、万が一のときにスムーズに治療を受けることができるのです。
日本にいる多くの猫がA型ですが、中にはB型、稀にAB型の猫もいます。「多分うちの猫はA型だろう」と思っていたら実は型が違った…。なんてならないためにも、事前に知っておくことで急速対応することができます。
今後、血液検査をする機会があるなら、一度病院で血液型検査についてくわしく聞いて検討してみてくださいね。