猫に上手く薬を与える方法@錠剤・液状の飲ませ方のポイント
ムシムシと暑い日が続いています。これだけ暑いと、健康なヒトでも食欲がなくなったり、熱中症になったりと体調を崩す機会もが多くなってしまいますね。もちろん、猫も同じです。
寒いのが苦手といわれることの多い猫ですが、実は暑いのも得意ではないようです。この時期、食いしん坊な我が家のにゃんこも少し食欲が落ち、エアコンの風が程よくあたる特等席を陣取ってゴロゴロしている毎日です。
暑くて湿度が高くなるこの時期は、ダニやノミなどが発生しやすい季節でもあり、注意が必要になります。我が家のにゃんこは、それらの予防として獣医さんに勧められたレボリューションという薬を使用しています。
レボリューションは猫の首の後ろ側、猫の口が一番とどきにくい場所に直接滴下する液状の薬なのですが、我が家のにゃんこはこれが大の苦手です。首の後ろの毛をかき分けて皮膚に薬液を垂らすだけの、ほんの一瞬の作業にもかかわらず大騒ぎ!一度気配を感じるとなかなか近寄ってくれなくなります。
滴下薬に限らず、とかく猫に薬を与える作業は大変です。錠剤、粉末、カプセル、シロップなど薬の形状は様々ですが、一度失敗すると二度と受け付けなくなることも。
病気の治療や予防に薬はつきものです。特に老描になると薬を飲む機会も増えてきますので、できればストレスなく受入れてほしいものです。そこで今回は、にゃんこに上手にお薬を与える方法を調べてみました。
【参考】嫌がる猫に薬を飲ませる方法@錠剤・液体のタイプ別に飲ませるコツを解説
錠剤の上手な飲ませ方
猫のお薬として錠剤が出されるケースは結構多いようです。錠剤のお薬は人間でも苦手に感じる人が多いのではないでしょうか?特に子供に対して、小さな塊を噛まずに飲み込むことを理解してもらうのは難しいものです。
それが猫ならなおさらです!言葉で飲み方を伝えることができない猫に錠剤を与える場合は、次の手順で強制的に飲み込まざるを得ない与え方をします。
1)利き手と反対側の手で、猫の頭を上から掴み上方向を向かせます。理想の角度は75度です。
2)利き手の親指と人差し指で薬をつまみ、中指を猫の口(下の切歯)にあてて口を押し開きます。
3)舌の奥に薬を落とし、口を閉じさせます。
4)少量の水を飲ませ、薬を完全に飲み込ませます。水を飲むことで薬を確実に体内に運ぶことができます。
この作業は、飼い主さんとにゃんこの両方が慣れている場合、一番早く確実に投薬ができる理想的な方法です。しかし皆さんもご存知の通り、にゃんこは頭を掴まれたり、口に指を入れられることを嫌がるのが普通です。
すんなりと口を開けてもらうには、日頃から頭を固定したり、口の中に指を入れることを習慣づけておくことが必要でしょう。嫌がる猫に無理やり強要すると、二度と薬をのんでくれなくなったり、飼い主さんがケガをしてしまうこともあります。できれば二人一組で行うことをおすすめします。
液状の薬の上手な飲ませ方
液状のお薬は、針の付いていない注射器を使います。液状の薬だけでなく、粉薬も水で溶いて与えることができます。手順は下記のとおりです。
1)錠剤の時とおなじように、頭を掴み顔を固定します。
2)上の犬歯の後ろ側に注射器の先をやさしく差し込みます。ここに注射器の先端を差し込むと自然に口を開けてくれれます。
3)ゆっくりとお薬を流し込みます。一気に押し出すと誤嚥したり、口の外に流れ出てしまったりしますので落ち着いて、かつ手早く行いましょう。
この場合も、頭を固定されることを嫌がったり、猫によっては注射器そのものを怖がったりすることが多いと思われます。また、注射器の先端を無理に差し込むとケガをさせてしまうことも。
やはりこれらの行為に慣れさせておく必要があります。普段から注射器でお水を与えるなど、遊びながら触れておくと良いですね。
薬の飲ませ方の工夫
基本的なお薬の与え方をご紹介しました。動物病院の先生の手際を見ていると実にあざやか!猫が嫌がる前に、手早く確実に投薬を終える技はさすがです。ぜひ飼い主さんも見習いたいところですが、この域に達するのはなかなか難しいでしょう。そこで、代わりのテクニックをご紹介します。
一番難易度の高い錠剤は、小さく砕いてエサに混ぜる方法が一般的です。ウエットフードに混ぜ込むことでペロリと食べてくれることも。ところが、中には小さな薬のかけらだけを器用に残す子もいます。
また、薬の味が嫌いでエサ自体を食べなくなってしまうケースもあります。その場合、エサを食べさせる専用のツールとして「投薬補助剤」というものがあります。
これは、にゃんこが好きな香りやフレーバーがついた粘土状またはペースト状のもので、この補助剤の中にお薬を包んで、小さな塊にして与えるものです。
猫の嫌いなお薬の臭いを閉じ込めて与えられるので、パクリと食べてくれるのです。メーカーによって味・香り・形状など様々なものが販売されていますので、にゃんこの好みのものを探してあげましょう。
まとめ
老描になると、お薬を与える機会は増えていくでしょう。できれば子猫のうちから頭や口を触り、嫌がらないように習慣付けておきたいですね。もちろん、大人になった猫でも大丈夫です。
口を開けさせて美味しいフードを食べさせるなど、嫌いなことの後にご褒美を与える方法を繰り返すと、頭の良いにゃんこはすぐに覚えてくれます。また、飼い主さんも馴れてくることでコツをつかむことができますね。