猫のおむつの選び方と使い方@トイレにいけない愛猫のために
『愛猫にはいつまでも元気でいてほしい』
にゃんこの飼い主さんなら誰もが思うことです。昨今は完全室内飼いをするケースが増えたこともあり、以前と比べ猫の寿命は延びる傾向にあります。
外猫(野良猫)の寿命が5年と言われる中、飼猫の内外に出る猫の平均寿命は13.83歳、外に出ない猫は16.25歳となっています。(2017年一般社団法人ペットフード協会調べ)
猫の16歳を人間の年齢に換算するとおよそ80歳。人間でもなかなかの長寿です。このことは、愛猫と共に長い期間過ごせる嬉しい変化です。しかしその一方で、新たな問題に直面する飼い主さんも増えています。それは、おじいちゃん猫やおばあちゃん猫の「介護問題」です。
おじいちゃん、おばあちゃんになって病気がちになったり、体の自由がきかなくなったりするのは人も猫も同じです。小さな猫といえども介護生活は飼い主さんにとって想像以上に様々な負担がかかります。
なかでも排泄に伴うトイレ問題は深刻な悩みです。ここでは、トイレ問題の解決方法のひとつ、「おむつ」について考えてみたいと思います。
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猫のおむつとは?
ひと昔前なら、猫に「おむつ」という発想はなかなか生まれなかったのではないでしょうか?ペットに小型犬や猫が増え、寿命が長くなったことによりペット専用の「おむつ」も充実してきました。
一般的に小型犬・猫用となっているケースが多く、人間の新生児用紙おむつと同じような形状をしています。
ペット用おむつには小型犬のオス用、小型犬のメス用、小型犬・猫のオス・メス兼用があります。猫には小型犬メス用か小型犬・猫のオス・メス兼用のものを使用します。
小型犬オス用のものは猫の体の構造上フィットしませんので購入の際間違えないように注意しましょう。いろいろなメーカーがペット用おむつを販売しており謳っている特徴も様々です。
使用感は猫の体型や状態により変わりますので、実際のところは試してみなければわかりません。購入の際は次の点を参考に検討し、にゃんこに一番合ったものを探しましょう。
おむつ選びのポイント
サイズ
猫の腰回りサイズと、おむつの適応サイズを確認しましょう。「腰回り20~30cm」といった記載がありますので、実際の猫のサイズにあったものを選択します。
通常S・SSなどの記載もありますが、メーカーにより若干の違いがありますので注意しましょう。
香りのないもの
香り付きのおむつもありますが、猫は臭いに敏感ですので、人にとって良い香りでも猫にはストレスになることも。できれば香りのしないものを選択してあげましょう。
どうしても排泄物の臭いが気になる場合は、消臭効果のあるおむつを試してみるのもよいですね。
お知らせ機能
おしっこをすると、表にサインが現れて知らせてくれる便利な機能のついたおむつがあります。濡れて気持ちが悪くても訴える術のないにゃんこにやさしい機能ですね。
取替時期が分かるので、おむつかぶれを防ぎ清潔を保つことにも一役買ってくれます。
価格
おおむねペット用おむつはコストがかかります。特に長く使用する場合はコスト面も重要な課題となります。メーカーにより価格は様々ですので、必要な機能と価格を比較検討しコストパフォーマンスの良いものを選びましょう。
コスト面を重視する場合、人間のあかちゃん用のおむつを代用する方法があります。おむつ一枚あたりの価格で比較すると、ペット用おむつは新生児用おむつに比べおよそ2倍から3倍コストがかかります。
新生児用おむつとペット用おむつの大きな違いはしっぽを出す穴の有無です。あらかじめしっぽ用の穴を開けておく手間はかかりますが、費用を抑えたい場合は有効ですね。ただし足回りのサイズ感など、赤ちゃん用とペット用では形状の違いもありますので、あくまでも猫が窮屈な思いをしないものを選んであげましょう。
まとめ
今年の初め、筆者の実家で飼っていたにゃんこが天国へ旅立ちました。「はなちゃん」と呼ばれ、実家の両親から可愛がられていたにゃんこです。ある日ふらりと実家の庭に現れたはなちゃんは、若い頃は決して家の中に入ろうとせず車庫を寝床に自由気ままな猫ライフを楽しんでいました。
あれから十数年、歳を取ったはなちゃんはここ数年すっかり家猫になり、昨年あたりから急激に痩せはじめ歩く姿もよぼよぼのおばあちゃんになりました。
「年末は越せるかな?」と心配をしながら迎えた今年のお正月、はなちゃんは帰省した家族全員に新年のあいさつを済ませた後、静かに虹の橋を渡りました。
少しですがしっかり食事を摂り、ふらつきながらもきちんとトイレに行っていたはなちゃんでしたが、最後を迎える少し前から粗相をするようになったのを期におむつをすることにしました。
猫はどんなに具合が悪くても自分でトイレに行こうとします。それは本能のなせる業なのでしょう。おむつをするということは、その自由をうばってしまうことになるかもしれません。
粗相の始末をする手間を軽減したい。でも、猫本来の意思も尊重してあげたい。飼い主さんにとってなんとも悩ましい決断を迫られます。
はなちゃんがおむつをどう思っていたのか?今となっては知る由もありません。もしかしたら「おむつなんてイヤだにゃー!」と思っていたのかも。
しかし、少なくともペットと人が一緒に過ごす上で、おむつは排泄物の問題を解決してくれる有効なツールになると実感しています。いつもそばにいて、飼い主さんの相棒として共に暮らしてきたにゃんこ。
おじいちゃん、おばあちゃんになっても、飼い主さんと共に幸せに過ごすことができますよう、この記事がお役にたてば幸いです。