猫はインフルエンザにかかる?人から移る?冬に気をつけたい病気のこと
今年もインフルエンザが猛威を振るう季節がやってきました。感染すると高熱や関節痛などの症状が現れ、感染力も高いため1週間は家でこもる生活…。予防のためにインフルエンザワクチンを接種した人も多いのではないでしょうか。
そして、猫を飼っていると「猫もインフルエンザに感染するのか」と気になる飼い主の方もいるはずです。ネットなどで調べてみると、「猫インフルエンザ」という言葉も多く目にします。
そこで今回は、猫はインフルエンザにかかるのかどうかをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
インフルエンザとは?
インフルエンザはウイルス性の疾患で、鳥や馬など様々な動物種でインフルエンザは発生します。私たち人に感染するインフルエンザは「ヒト季節性インフルエンザ」と呼ばれ、咳やくしゃみでウイルスが人の鼻咽頭の細胞に感染して発症し、非常に感染率が高いウイルスです。
他にも、インフルエンザの種類には「高病原性鳥インフルエンザ」「低病原性鳥インフルエンザ」「馬インフルエンザ」「豚インフルエンザ」「犬インフルエンザ」があります。
実は、ウイルス学の分野に「猫インフルエンザ」というものは存在しません。しかし、インフルエンザと似た症状をおこす「猫ヘルペスウィルス感染症」や「猫カリシウィルス感染症」を称して「猫インフルエンザ」と呼ぶことはあります。
猫のインフルエンザはインフルエンザウイルスの疾患ではない事、インフルエンザのような呼吸器疾患を示す用語なのです。
人間のインフルエンザは猫に感染するの?
では、「ヒト季節性インフルエンザ」は猫に感染するのでしょうか。基本的に「ヒト季節性インフルエンザ」は人と人の間で感染が広がり、動物種を超えることはありません。つまり、人間のインフルエンザは猫には移らないと言うことです。
しかし、ある調査では一定の猫が「ヒト季節性インフルエンザ」の抗体を持っているとも言われており、実は100%移らないとは言えないようなのです。
また、過去には新型インフルエンザが猛威を振るったこともあるため、新たな型のインフルエンザが出てくる可能性も否定はできません。とは言え、「ヒト季節性インフルエンザ」が猫に移ることは稀なため、今のところそれほど過敏になる必要はありません。
■人から猫へのインフルエンザ感染
- 猫に人のインフルエンザが感染する可能性は基本的にない
- ただし、稀な症例として報告はある
- 人から人への感染力のレベルと比べると、猫への感染は格段に弱い
インフルエンザシーズンに気を付けたい事
猫に人のインフルエンザが感染することはまれです。とは言え、絶対に感染しないとはいいきれないため、念のため対策をしておくと安心かもしれません。
飼い主がインフルエンザにかからないようにする
「猫インフルエンザ」は、「ヒト季節性インフルエンザ」とは全く異なるものです。猫に人のインフルエンザウイルスワクチンを接種することはできません。
そのため、飼い主がインフルエンザにならないことも大切になります。外出先から戻ったら手洗いうがいをしっかりする、部屋が乾燥しないように加湿をする。家の中にウイルスを持ち込まないことが一番です。
また、念のために飼い主がインフルエンザワクチンを接種することも視野に入れてみてください。
外出する猫ちゃんには注意
インフルエンザでもう一つ気を付けたいのが、「高病原性鳥インフルエンザ」です。鳥インフルエンザは、一般的にA型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起きる感染症です。
そのため、高濃度のウイルスに接触しないかぎり猫に感染することはありません。しかし、中には狩りが大好きな猫ちゃんもいるかもしれません。万が一、鳥インフルエンザに感染した鳥を捕まえたりすることも考えられます。できるだけ外に出さないようにしておきましょう。
猫のワクチンも忘れずに
人のインフルエンザは猫に感染することは稀ですが、「猫インフルエンザ」と呼ばれる「猫ヘルペスウィルス感染症」や「猫カリシウィルス感染症」は、他の猫からもらうことも考えられます。
また、一度でも猫インフルエンザウイルスに感染してしまうと、生涯ウイルスを保有するキャリアとなってしまうため、回復後に症状が出ず元気でも他の猫に感染させる恐れがあります。そこで、きちんと猫の予防接種も1年に1度受けるようにしておきましょう。
【参考】猫の予防接種を知っておこう!種類と料金をわかりやすく解説
まとめ
人のインフルエンザは猫に移ることは稀なため、家族の誰かがインフルエンザになったからと言って、猫を完全に隔離をする必要などはありません。
しかし、猫と患者の接触は極力控えておくことをおすすめします。くしゃみや咳で、インフルエンザウイルスを猫の体に付着させた後に、他の家族が猫を触ることも考えられます。
そのウイルスが口腔内に入って、間接的なインフルエンザの感染が起こってしまうかもしれません。もちろん、飼い主がインフルエンザにならないことも大切なため、日頃から予防にも心がけてくださいね。