何歳まで猫が飼える?高齢者がペットを飼うときのポイントと注意点
今ではペットを飼っている家庭も多く、ここ数年はブームも重なって猫を飼っている人も増えてきました。中には、「子どもが巣立って寂しくなったから」、「以前飼っていた猫が亡くなったから」と高齢で新しく猫を迎えようと考えている人もいるかもしれません。
猫を飼うことで高齢者にも良い影響があると言われていますが、やはり考えなければならいこともあります。そこで今回は、高齢者がペットを飼うときの注意点をご紹介します。
【参考】高齢者が猫を飼うことのメリットとデメリット@増える高齢者飼い主
猫を迎えるのに年齢制限はあるのか?
高齢者が猫を飼うことで生きがいになるというメリットはありますが、里親募集のサイトや保護団体が猫の譲渡条件で「60歳以上の方にはお譲りできません」という記述を目にすることがあるはずです。
そんな記述を見ると「60歳以上は猫を飼えないの?」と思うかもしれませんが、法律でペットを飼うための年齢制限はありません。希望すれば60歳以上でも猫を飼うことは可能です。では、なぜ里親の譲渡条件では年齢制限が設けられているのでしょうか。
猫の寿命の問題
まず一つが、猫の寿命が昔と比べると伸びたことがあげられます。完全室内飼いで約15年です。60歳から飼育を始めても75歳、さらに20年以上と長生きした場合、飼い主の年齢は80歳を超えてしまいます。
猫も高齢になれば介護が必要になるかもしれません。その時に飼い主も高齢だと、きちんと飼育できない可能性も考えられるのです。
高齢者の身体的な問題
歳を取るのは猫だけではありません。飼い主も同じように年を取り、以前のようにお世話ができなくなることも考えられます。また高齢で入院や施設に入所などにより、ペットが自宅に残されるケースも珍しくはありません。
猫を飼い始めた時はまだまだ元気でも、猫が寿命を迎えるまでの間に人間も年を取るということを忘れないでください。
高齢者が猫を飼うときの3つの注意点
高齢であっても猫を飼うことは可能です。しかし、「寂しいから」「猫がかわいいから」と安易な考えだけで猫を迎えると、飼い主も猫も幸せにはなりません。
猫を飼う前に、高齢者が猫を飼うときの3つの注意点を確認してみてください。
後継人を付けることをおすすめする
60歳以上で新たに猫を迎えるなら必ず後継人を付けるようにしましょう。万が一自分の身に何か起こったときに、猫を託せる人を探しておく必要があります。
身内やご近所などで猫を任せられる人にあらかじめお願いしておくと良いでしょう。もし、後継人が見つからないというときは、猫を終身飼育してくれる施設などに頼んでおくのも方法です。
体力に合う猫を探そう
高齢で子猫を迎えると、約10年以上の飼育は覚悟しなければなりません。さらに、若い猫は体力あり活発です。
高齢で猫を飼うなら、性格がある程度分かっている成猫がお勧めです。もちろん、きちんと避妊・去勢手術は受けるようにしてくださいね。
金銭的に余裕があるか
猫は犬と比べると飼育費用はそれほどかからないと言われていますが、フードやトイレ、医療費など、最低限度の飼育費用は必要になります。特にペットの医療費は任意保険に入らない限り実費です。
猫も高齢になれば医療費もかかります。きちんと猫を生涯面倒みられるかどうか、金銭的にも考えてみてください。
終活に猫のことも考えよう
60歳を過ぎたら終活を始める人も最近では増えてきました。そこで、今猫を飼っている人は60歳を過ぎたら終活に猫のことも考えてあげてください。
周囲に猫を飼っていることを伝えておこう
高齢で猫を飼うときは、ご近所や知り合い、身内などに猫を飼っていることを伝えておきましょう。万が一飼い主に何かあったとき、周りに伝えておくことで猫の存在に気が付いてもらうことができます。
飼い主に何かあって、猫が家に残された時のためのことを考えてあげてください。ドアに「猫が居ます」という張り紙をしておくのも良い方法です。
オリジナルのカルテを分かるところに貼っておく
終活を意識し始めたら、猫のカルテも一緒に作成しておきましょう。
カルテの作成と聞くと難しく感じるかもしれませんが、猫のプロフィールを簡単にまとめて次に猫の世話をしてくれる人に分かりやすくしておくことが大切です。
■カルテに必要な事柄
- 猫の名前と年齢、性別
- 猫の性格
- かかりつけの病院名
- 食べているフードとトイレの砂の銘柄
- 飼育上の注意点
飼い主に何かあったとき、残された猫のケアが誰でもできるように準備をしておきましょう。もちろん、高齢者だけではありません。災害のときにも役立つので、ペットを飼っている全ての飼い主さんに言えることでもあります。
万が一のために
飼い主が高齢者の場合、万が一の時のために猫の飼育を引きついてくれる人を探しておく必要があります。しかし中には飼育を引き受けてくれないということもあるでしょう。
そんな時は、生涯面倒を見てくれる保護施設に預けることも検討してみてください。また、ペットの信託と言うものもあります。どちらもある程度、お金に余裕がなければ難しいかもしれませんが、金銭的余裕があるという人は検討してみてください。
まとめ
猫を迎えた時はまだまだ元気でも、10年、15年と経つと猫も飼い主も年を取るということを忘れないでください。今では元気なお年寄りも多くいますが、必ず元気で長生きできるかと言う保証はありません。
もちろん、高齢者だけではなく全ての飼い主に言えることですが、何かあったときのために準備はしておくことが必要です。ある程度の年齢になったら、新しくペットは迎えないという選択をする勇気も必要かもしれませんね。